タロットリーディング動画講座【吊るされた男編】
吊るされた男の読み方をはじめから動画講座で丁寧に解説!
タロットカード 大アルカナ 12番ザ・ハングドマン(吊るされた男)」の解説です。
吊るされた男の世界観
吊るされた男とは、自分を犠牲にし、身動きできない状況に置きながらも、それを乗り越えて何かを得るというカードです。
この絵をぱっと見て何を感じますか?
若い男の人が両手を縛られて木に吊るされているのに、不思議と苦しそうに見えませんね。
むしろ笑っているようにさえ見えます。
全体的に色もグレーでなんだか一見、良くないカードのような気がしませんか?
でも、実際にこのカードっていうのは、ネガティブなカードではないんですね。
この男の人も吊るされた直後は、苦しかったと思いますが、逆さになると、視点が上下逆になるので、同じ景色も違ったものに見えてきますよね。
これと同じように、価値観が変われば、これまで当たり前と思ってきたことが、ありがたいと思えるようになる、辛かった事も学びになるということをこのカードは示しています。
たとえば、私の場合ですと、今までバリバリ働いて、仕事とかお金とか出世のことしか考えなかったのに、うつ病になった瞬間に、健康でいられることがどんなにありがたいのかということや、こんなにも自分は周りの人に支えていただいていたんだって思ったら感謝の気持ちでいっぱいになって、自分は生かしていただいている、お陰さまで今があると思えるようになりました。
どんなに、自分の猛烈な努力で結果を出せたとしても、そこに必ず、自分を応援してくれる方々、支えてくれる方々、好きでいてくれる方々、慕ってくださる方々、引き上げてくれる方々の存在があった「お陰さま」以外の何物でもなりません。
うつ病になったということは、病気だけにフォーカスすれば、苦しい、辛い思いをしたなど悪い意味に捉えることもできます。
でも、私の場合は、病気になったことで、大切なことに気づけました。
走り続けていたら、ただ出世欲が強く、感謝の気持ちの足りない嫌な奴だったと思うのです。
病気になったおかげで「お陰さま」の気持ちが芽生えました。
見えないご厚意を忘れてはいけないと強く感じて、常に感謝の気持ちを示し、いただいたご期待以上に提供していこうと思えるようになったことは、私にとっては大きな収穫でした。
このように、吊るされた男のカードは、物事を別の視点で見ることで、新しい価値観が生まれることを示しています。
男の人を吊るすために使った枝は刈られています。
これは、彼の人生の挫折や失敗を表します。
私たちは失敗や挫折を乗り越えなければ、成長できませんよね。
刈られても、葉っぱが茂ってきていますが、これは、失敗や挫折の経験は必ず報われるということを表しています。
そう考えると、失敗を恐れる必要はなくて、失敗は成功の元なのだと勇気付けられますね。
実は、あの発明王のエジソンさんも、電球を開発するのに一万回実験をくり返してもできなくて、友人に「もう一万回も失敗しているんだから、電球の発明から手をひいたら?」っていうアドバイスをされたていたんですね。
でも、その時エジソンさんは「私は失敗なんて、一度もしていない。一万回も『このやり方ではうまくいかない』という発見を得ただけなんだ。」って答えたんですよね。
やっぱり、すごい発明とか、何百年も人の役に立つものを作るのには、時間もお金もかかる上に失敗はつきものですけど、亡くなった後も60億人規模で永遠に役立つ壮大な発明に成功しましたから、大成功ですし、ものすごく報われていますよね。
私もこの話を知ってから、10回や20回や30回の失敗で諦めちゃダメだなって思ってすごく勇気付けられたんですね。
挫折とか失敗をした直後は落ち込んで二進も三進も行かない状態ですけど、乗り越えるまでの苦痛はあっても、乗り越えた先には嬉しいこととか人に喜ばれること、感謝されることがいっぱい待っていますよね。
シンボルに戻りますね。
彼の頭には、後光が差していますけど、これは彼の発見とか、魂の成長が神様に認められたっていう意味になります。
あとは、見たまんまで、身動きが取れないから止まっちゃっていますし、犠牲になっていますよね。
⾚と⻘の服は、冷静と情熱の間のような感じで精神的な葛藤を表しています。
⽔のような柔軟性と、⾃分を曲げたくないという意志の葛藤ですね。
全体的に⾃⼰犠牲と忍耐、我慢そのものよりも、新しい視点で見られて成長する柔軟性にスポットライトが当てられています。
それから、数字のお話をしていきます。
12という数字が表す意味
まず12という数字そのものは、再生と救済を表します。
それから、12は完璧を表します。
例えば、太陽暦では、1年は12ヶ月ですし、東洋占星術の「十二支」とか、西洋占星術の「12星座」とかも12個で一巡りしますよね。
西洋占星術を例に出すと、4月の牡羊座から始まって、3月の魚座で終わる「12」は1つの大きな流れが完結する完璧なものが表されています。
12でひとつの大きな流れが完結するからある意味では完全なる数字ですね。
実は、「ニッチもサッチもいかない」というのは、「完璧に手を尽くしてるのにどうしようもない」ってことなんです。
膠着状態なので、動きません。
止まります。
でも今はその苦しい状態から見えてくる大切なことは何か考える必要があるというメッセージなんです。
そして、西洋占星術で「12番目」というのは、「魚座」を表します。
魚座は、“古い周期が終わって、新しい周期が始まる”ということを表しています。
魚座は、12星座の一番最後なので、魚座が終われば、次は牡羊座に戻るという輪廻、永遠を示すものでもあります。
魚座のマークは、2匹の魚が違う方向に行こうとする姿で描かれていて、相反する2つのもの、流動性(変化しやすいこと)を表しています。
これは、2つのものを調和、統合させることの難しさ、矛盾を表すものでもあります。
魚座には、大きな2つのテーマがあります。
1つが「自己犠牲」、2つ目が「スピリチュアル」です。
感受性が強く、感動しやすく、とても我慢強くて献身的の自己犠牲型。
直観力が高くスピリチュアルな目覚めをしやすいタイプと言えます。
魚は、水に自分の体を溶け込ませていく、自分の体を犠牲にして、水にどんどん溶け込んでいくイメージで、「肉体が消滅する」ということは、高次の世界に行くとか、精神世界に入るということに繋がっていきます。
さらに、肉体が消滅する過程で、バラバラになっていくということは「自分の身を犠牲にして、何かしようとする」ということに関わっていきます。
だから魚座の人は、献身的でワーカホリックな方が多いです。
自分の身を犠牲にしてワーカホリックに働いていく人が多く、人に共感する能力が高いので、人にも会社にも尽くしすぎてしまうところはあると思います。
魚座の特徴をお話しましたが、12番つながりで吊るされた男のカードも自己犠牲という繋がりがありますね。
人類が犯した全ての罪を一人で受けるために磔(はりつけ)の刑にされているので、自分が犠牲になっていますよね。
それから12は、「4×3」を表します。
四大元素の「火」「水」「風」「土」の4つのエレメントに、「活動宮」「固定宮」「柔軟宮」の3つが合わさって、「12」という完璧な西洋占星術が出来上がるんですね。
さらに「12」は1と2と3と4の最小公倍数で、この4つの数の組み合わせは、宇宙全体を表す数なんですね。
だから、瞑想して宇宙意識と繋がる、自分の中の宇宙と繋がって違った観点から物事を見直してみるみたいな連想もできます。
※タロット瞑想では、吊るされた男をよく使います。
真の問題の解決の鍵は周りの状況ではなくて、自分の心の中にあることが多いですよね。
それだけじゃなくて、この吊るされた男の足は数字の「4」になっていて完全性を表しています。
さらには究極の完璧を表す21番の世界のカードも足を「4」の字で組んでいるところが共通点ですよね。
世界のカードは究極の完璧、吊るされた男は逆向きの4の字だから完璧に達成するための我慢とか犠牲とか試練だと捉えられますね。
このカード、数、シンボル、色だけでもかなり深く読めますよ。
それではカードの読み方を解説していきます。
吊るされた男が正位置で出た時の読み方
吊るされた男が正位置で出た場合の意味は、
・身動きが取れない
・自己犠牲(献身的になる)
・別の視点から物事をみる
・自分の内側と繋がることが鍵
・この困難から得られる学びがたくさんあると言う視点を持つ
..というように、自己犠牲や献身的になる必要があるというメッセージ性が強いのですが、周りのカードとの兼ね合いもよく見てリーディングして下さいね。
吊るされた男が逆位置で出た時の読み方
逆位置が出たら、
・やってあげている感(見返りを求める)
・自分本位になっている
・努力しているつもりになっている
・片思い
・骨折り損
..という感じになります。
やってあげているつもりだとしても、動機として見返りを求めるからうまくいかなかったり..
たとえば、恋人に対して、「こんなに尽くしてるのに、どうして同じくらい愛してくれないの?」って言葉が出てしまう時は、それが相手に対する無性の愛でしてあげたいなと思ってやってあげていることなのか、見返りを求めて計算してやってるエゴなのか見直す必要があるということですね。
相談者さんへのアドバイス
逆位置が出た場合、どうすれば良いかというと、
・この困難は、どういう意味をもたらすのか?
・その行動や発言は、本当にあなたのエゴではなく周りの人の為になっているか?
..などということを考えると、解決への糸口が見つかります。
まとめ
はい、いかがでしたでしょうか?
成長し続けるためには立ち止まることも必要ですし、辛いことが自分の身に降りかかった時、被害者意識で悲劇のヒロインになるのではなく、そこから学ぶことは何かを常に考えると、人格はどんどん高まっていきますね。
次回は13番死神のカードを解説していきます。
怖そうに見えるカードほど、教訓とか大切な教えが隠されていますので、楽しみにお待ちいただければと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Comment
今日のワンオラクルで吊るされた男が現れました。
苦労をすることは苦しみです。しかし、学ぶことが
多いです。不幸の中に幸せを見つけることが別の
視点で物事を捉えた時に当然で当たり前で普通
だと思っていたことが、そうではないと気づいた時
に感謝の気持ちが心の中に溢れました。
今の自分が存在できるのは、苦労したからです。
月森由奈先生の解説でそう気づきました。
ありがとうございます。