月森由奈の生き恥晒します..手作りワインの秘訣全集!103以上のレシピが集結!決定版マニュアル
月森です、
私が初めてビジネスに挑戦し、
あまりうまく行かなかった頃に作成した
手作りワインのレシピを公開します。
アルコール分、1パーセント未満になるよう、発酵時間を調節したレシピです。
※コメントが多ければ、ダウンロードできるPDFをプレゼントする予定。
はじめに・・・
まず、このマニュアルを発見したあなた!
おめでとうございます。
このページは、
ワイン好きなあなたのためのものです。
ワイン類を家庭で作る方法を
各手順ごとに詳しく語っています。
自分でおいしいワインを作るのは、
最も楽しく同時にやりがいのあることの
一つではないでしょうか。
作る過程は楽しく、出来上がった
ワインを家族や友人と楽しめ、
あなたの才能をほめてもらえますよ。
そしてもちろん、自分で作るのは
お金の節約にもなりますよね。
そしてあなたオリジナルブランドの
ワインを作る方法も載せてあります。
あなたのお好みの味と香りにこだわって
作ったワインは、まさに作品と言える、
やりがいのあることでワクワクしてきますよすよね。
しかも、健康にもよくて、
酵素たっぷりでおいしい手作りワイン・・・
最高だと思いませんか?
さぁ、あなたも今日から
ワイナリーのオーナーです!
さっそく始めましょう
あなたは少なくとも今までに一度は
「ワイン自家培養専用DIYキット」や
その類のものを取り寄せたことがあるのではありませんか?
何かを自分で作ったり、組み立てたり、
創作したりするための方法を教えてくれるものです。
好きこそ物の上手なれと、必要に駆られて自分で何かを作ったことがあるのでは?
このページでは、家庭でワインを作る方法を説明しています。
手作りしやすいように簡単に、わかりやすく解説していきますね。
お金も手間もほとんど掛かりません。
そのぶん時間はちょっと掛かりますけれど、
その時間もほとんど発酵に掛かるものです。
ですが成功のためには
価値のある手間です。
ワイン造りの基本の方法
これから説明する簡単な方法は、
どこから始めたらよいか判らない初心者と、
挑戦はしてみたけれど、上手く成功できなかったり、
失敗を味わった経験者のためのものです。
良質のワインを作るのは本当に簡単ですが、
かと言ってまったく気を使わずに
いられるものではありません。
本当に多くの人がいまだに
おばあちゃんのレシピで
果物を混ぜたものを自然に発酵させたり、
コルクでゆるく栓をした
飲みかけのワインをそのままにしていたりします。
(ワインを駄目にする三大要因の一つ)
そうかと思えば、
10回のうち9回は出来上がった
ワインが濁ったりすっぱくなったりして、
結局はあなたの喉ではなく
台所のシンクに流れていく
羽目になることになるのです。
大半の人はこうして果物やその他の材料を無駄にしているのです。
※酢酸菌は空気中にたくさんいるから酸っぱくなってしまうんです。
もしあなたの今までの結果が
期待はずれなものだったのなら、
それには理由があります。
この章を読むことで
この世で最もおいしい
ホームメイドワインの
秘訣を知ることが出来ます。
それと同時になぜ失敗したのかもわかるでしょう。
何度も言いますが、
私はシンプルな方法が好きです。
素人が自分の手で
ワインを作る方法には、
薬品を使ったり、複雑な
科学的プロセスが含まれます。
そのため中には、科学知識と
方法をテストするための
やりきれない実験のようになるまで、
プロセスを複雑化してしまう人達もいます。
ワイン製造に高価な機械と
それに見合った科学技術が
必要となるにつれ、
ワイン作りの喜びは技術の
細かく複雑な手法に取って代わられました。
このような方法で製造されたワインが、
ここで紹介する簡単な手作りの方法で
作られたものよりおいしいという訳でもないのです。
でも、そこはやっぱり、シンプルイズザベスト!
けれども読者がワインを駄目にしないように、
化学的な製造過程においても詳しく述べています。
そうすれば超初心者でも
何をどうやってするのかだけではなく、
なぜその特定の方法を選ぶのかまで
知ることができますから。
そうなれば成功したも同然です。
とは言っても、化学の知識は
全く必要ありませんし、
たいていの家庭にある台所
道具のほか必要なものはありません。
必要な台所道具
この本で述べられている方法と材料でワインを作るのに必要なのは、ガロンサイズのガラス瓶、表面のコーティングがはげている部分のないほうろう製ソースパン、ポリエチレンまたは一定の種類のプラスチックのバケツです。アルミニウムや銅製の容器は使わないでください。また、料理用ではないほうろう製容器も駄目です。釉に鉛が含まれていることが多く、ワインに溶け出すと毒になります。
この本に書かれているレシピを、あえてしようとするのではない限り、瓶やポリエチレンのバケツなど発酵中の容器を開けたままにしないでください。お酒の発酵には、ガロンサイズのガラス瓶が一番です(また後ほど述べますが)。ポリエチレンのバケツは、発酵に時間かける時間をとる必要のない、数種のレシピで必要になるだけです。
発酵のすばらしさ
発酵によって作っている液体がワインになります。そしてワインが出来上がった時に素敵な芳香に変わる材料を選ぶ他は、私たちは何もする必要がないのです。酵母が液体をワインに変えてくれます。
通常、パン酵母とグラニュー糖が、家庭でワインを作る際に使われます。しかし、ここ数年の間、フランス、イタリアとドイツのワイン生産地域から輸入されるワイン専用の材料や器械もみられるようになりました。これら専用の酵母を使って作るワインが一番おいしいです。なんといってもワイン専用に作られている酵母ですから。もちろんパン酵母を使ってもおいしいワインは出来ます。けれども下記で述べているようなワイン酵母で作った結果とは比べ物になりません。
ワイン酵母ではアルコール18%のワインを作ることが可能ですが、パン酵母では14%です。
転化糖とワイン酵母を使う人たちがだんだん増えています。
さて、糖分を含んだ液体に酵母を加えるとどうなるのでしょうか。
酵母は、圧縮された塊、タブレット、ペレット、液体発酵用の粉末などいろいろな形状のものが手に入ります。そして売られている状態の時には不活性です。
発酵のプロセスを始めると、最初は小さな白い泡の発泡が見られます。その発泡はすぐに収まり、それから長いときは6ヶ月も続く、穏やかな発酵のプロセスに入ります。けれども(後で述べるように)気候が暖かければ半分の時間で済み、逆に長くかけるべきではありません。
このプロセスで液体を寝かせている間、液体は絶えず発酵しています。つまり酵母自体が新しい胞子を作り出して増殖し、ワインの中のアルコール分を増やしているのです。けれどもそれが永遠に続くわけではありません。酵母の最大発酵量を超えると生成されたアルコールが逆に酵母を食べだして、その繰り返しは酵母がすっかりアルコールに食べつくされるまで続きます。そうするとアルコールの生成はそこで終わります。ワインを長く保存しておくと、アルコール分が強くなるという昔ながらの話は、嘘か迷信だったのですね。
先にも述べたように、パン酵母を使うと14%、ワイン酵母を使うと15%から18%のアルコール度数になります。
醸成されるアルコール度数を最大限にするため、また無駄な時間を使わないようにするために、発酵中はワインを暖かくするよう注意してください。必ず18.3℃~21.1℃の間に保温してください。この状態を厳密に保てる人はほとんどいないのですが、この温度ではなくとも、とにかく暖かくしておけば発酵は進みます。多くの人は乾燥用戸棚[1]に保存していますが、発酵には十分です。いわゆる「発酵を助ける」というあまり評判のよろしくない、これから下記に述べるような発酵用の様々なツールを使う人々もいます。暖かい時期には、台所の暖かい場所において置くだけで十分ですが、寒い時期、特に厳しい寒さの夜中には、人工的に暖かくしたほうが良い結果を生むでしょう。
気温が下がると、発酵は自然に止まります。つまり暖かい時期には、発酵が止まっていた酵母が再び発酵を始めるという可能性があるわけです。このように完全に発酵の終わっていないワインを瓶詰めした場合、ワインのコルク栓が突然はじけてあらぬ方向に飛び、良いワインを駄目にしてしまうことになってしまいます。
発酵を助ける様々なツール
多くの初心者は発酵中のワインを乾燥用戸棚か、台所のボイラーの近くに置くことで満足のいく結果を得ることが出来ると思います。発酵専用の乾燥戸棚を作る方法を知りたいと思う人もいるでしょう。
一度に発酵するワインが2・3本くらいの少量であれば、小さな戸棚に小さな電気ヒーターを入れたものが理想的なツールになるでしょう。
また代わりに、発酵させる瓶をよせ、カップボードにつるした電球を上から照らす方法でも十分な効果が得られます。特に瓶を集めて置ける広さがあり、暖めた熱が逃げない位の適度なサイズの戸棚であれば。石油ランプを電球の代わりに使っている人も知っていますが、発酵栓を使っているのではない限りやめたほうがよいでしょう。煙がワインを駄目にしてしまいますから。
他には、栄養分を与えることも良いでしょう。栄養酵母といわれるものがありますが、これは醸成されるアルコールが最大になるように、酵母の栄養バランスを調整したものです。栄養剤も発酵のスピードを速めます。良いものを見つければ、常に安定した良い効果が得られるでしょう。これまでの数知れない私の経験から言うと、暖かさと良い酵母、良い栄養の3つが揃うことで、この3つがそろわない時の10倍ものアルコールを醸成することが出来ます。やっぱり最大の効果をあげたいですよね。でしたら、少しの手間と出費で、出来上がりの結果に莫大な差をつけることが出来ます。
ワインの材料を売るメーカーは、様々な種類の栄養剤を売っていますので用途に合わせて何を選ぶか決めてください。大概は原料となる液体に栄養剤を加え、その後酵母を加えるだけで大丈夫です。
では、次に転化糖についてです。たいていの場合、家にある、普段使っている砂糖で十分な結果が得られますし、私のレシピでも家庭用の砂糖と書いてあります。けれども転化糖を使うとやはりもっと良い結果が得られるのは間違いありません。
以上をまとめると、パン酵母を使い、何も栄養を添加せず、家庭用の砂糖を使い、発酵に気を配らない方々は、私のアドバイスに従った時のような結果は得られません。たとえ長年の修行を積んでいない初心者でも、私のアドバイス通りに発酵栓を使い、適切な温度管理やワイン酵母、転化糖や栄養剤を使えば、自慢できるレベルのボディの強さ、透明感、味わい、芳香を持ったワインを作ることが出来ます。
パン酵母を使うときは砕いて使いますが、ワイン酵母を使うときはそれぞれのメーカーの指示に従ってください。では、予備発酵からはじめましょう。ハーフパイント(約284ml)の牛乳瓶がで良いでしょう。4分の1パイント(142ml)の水に、ティースプーン1杯の砂糖を加え、1分ほど沸騰させたのち、冷まします。そしてそれを瓶に詰めます(これはこのまま後で消毒します)。そして酵母を加えます。
そして瓶の口にコットンボールを詰めて栓をし、暖かい場所においておきます。2・3日くらいで(大抵は3日)、準備しているワイン用の液体に加えるのに、ちょうどいい感じになります。
ワイン用の液体に直接酵母を加えると、発酵が始まるまでに3日間かかります。ですので、予備発酵した液体を先に準備しておき、それを加えれば、すぐに発酵がさかんになりますから、このほうが良いですね。
予備発酵用の水が温かい時に酵母を加えないように注意してください。熱が酵母を殺します。そして、スターター・ボトルと私たちが呼んでいる予備発酵液と同じように、ワイン用の液体も冷ますことを忘れないでくださいね。私がこの本の中で予備発酵について述べているときは、皆さんが私のアドバイスに従ってワイン酵母を使っているという前提でお話していますが、パン酵母を使う場合は、直接酵母を砕いて液体の中に入れるだけです。
レシピの中では、砂糖を一度に加えず段階的に入れていますが、これは発酵を促進させるためです。最初から糖分が多いと、アルコール10%で発酵がとまる恐れがあります。経験の少ない人は発酵が終わったと勘違いしてワインを冷ますプロセスに入ります。これでももちろんちゃんと飲めるワインになりますが、甘すぎるワインは、また自然と発酵を始める恐れがあります。
繰り返しますが、レシピにしたがって、酵母もしくは予備発酵液を、栄養剤と一緒に加え、発酵がとまるまで温かい場所においてください。
レシピの中には、(ワインに特別な風味を加えるためですが)、発酵がほぼとまるまで置いていてください。と、書かれたものもあります。初心者にとっては“ほぼ”とは範囲の広すぎる言葉ですが、発酵栓を使っていれば簡単に判断できます。発酵栓の一つに水が残っていて、2・3分おきに下からぼこっと泡が立つ位の時です。
発酵栓を使っていない場合でも、透明なガラス瓶を使っていれば、初心者でも泡の具合から判断できます。泡が定期的にたくさん出ている時は、発酵が盛んな状態です。液体のふちに白い線が見え、表面に2・3個の小さな泡がゆっくり上ってくるくらいになれば、確実に“ほぼ”終わった状態です。が、この状態が数週間続くかもしれません。
濾過について
この本のレシピでは、アイシングラスや他の道具を使って濾過する必要はありません。この本に出てくるワインは、発酵が終わる前にひ通りでに透明になります。実際、発酵の終わる一ヶ月まえには大変に澄んだワインになっています。いくつかなかなか澄んだ状態にならなくても大丈夫です。ついに発酵が終わって1,2週間のうちにワインは澄んだ状態になっていきます。澄んだワインには、ちょっとだけ捨てる部分も残ったままになります。ですので、ワインの中に残っているかもしれない酵母がワインを透明にしてくれることを期待して、念のため澄んだ状態になってから1ヶ月はそのままにしておくことも頭の隅に置いておいてください。このプロセスをきちんとしないと、ボトルの底に澱がのこり、ワインを注ぐときにその澱がワインを濁らせてしまいます。一度そんな不幸な状態になるとワインの中で舞い上がった澱が再び沈殿するまで、そのワインは飲めなくなってしまいます。
一番良い方法は、一度澄んだ状態(けれどもまだ完全ではない状態)になったワインを、澱だけを残して、サイフォンを使って別の容器に移すことです。そうして、完全に澄み切ったワインをまたサイフォンを使い、もとの瓶に戻せばよいだけですから。この過程をラッキングといいますが、ラッキングすろことで、濁りを早く完全に取り除くことが出来ます。
自然界に存在する天敵
ワイン作りの敵は、野生酵母と酢酸菌です。アルコールを酢酸に、つまりワインをワイン酢にかえる酢酸菌は空気中に存在しています。
同様に、ワインを気の抜けた味や深みのない味にしてしまったり、すっぱくする野生酵母や真菌胞子なども空気中に存在しています。しかしこれらはすぐに死んでしまうので、害はありません。きちんと密封されていた材料を使いましょう。そうすればこのような菌に汚染されていないことが確かです。
けれども、作業に使う水にワインを駄目にする有害なバクテリアが含まれていたり、野生酵母が望まない発酵を起こしたりするかもしれません。そうすると、やや風味がそこなわれたり、牛乳がすっぱくなった時の様な味になったりします。
この本には、作業のはじめに野生酵母やバクテリアを入れないような方法を書いているので、安心してください。
もし野生酵母やバクテリアがつくとしたら、コルク、瓶や容器の内側からでしょう。実際、あらゆるものにこれらは付着していますが、すぐに死にますので大丈夫です。
あまり知られていないことですが、チーズのカビや、封を切ったミート・ペーストやジャムの瓶には野生酵母が繁殖していることが多々あります。そしてこれらと同じ種類の空気中に存在している酵母が、ワインを台無しにするのです。この酵母が繁殖してワインがすっぱくなるのを避けるためには、かならず発酵中のワインを密封してください。これは簡単なことですが、一番大切なことです。
ワイン用の液体に予備発酵用の酵母を入れるとすぐに、ポリエチレンで瓶の口を覆い、密封してください。手作業で覆って、糸で周りをしっかり縛ってください。この方法だと、発酵中に発生したガスを逃げ場を作りながら、空気感染で上に述べたような雑菌などが繁殖するのを防ぐことが出来ます。
けれども、ポリエチレンとは比べ物にならないほど良いのが、発酵栓です。
発酵栓は、空気や空気の中にいる色々な細菌をワインに入れないために使います。蓋をする前にまず発光栓の先端をコルクに刺し、それから蓋をします。それから指示されたラインまで水を注ぎます。発酵中にでるガスは逃がしつつ、空気感染を避けることが出来ます。単なる水の代わりに, 後に出てくる消毒剤を少し加えたり、カムデンタブレット[2]を砕いて入れるとさらに良いと思います。実際これがベストです。なぜなら、真空になった発酵中のワイン瓶の中に空気が吸い込まれても、消毒剤が雑菌を殺してくれるからです。ワインが温かい時に蓋をして直ぐの時に、発酵栓の中の水の逆流は起こりやすいです。
でも起こってもあわてないように。ガスが発生すれば直ぐに元に戻ります。
発酵栓を使うもう一つの利点は、発酵がいつ終わるかが判りやすいことです。
発酵栓の中に水が入っていて下から泡が上っている状態の時は、ワインの瓶の中に圧力があり、発酵によってガスが出ているという訳です。発酵がほとんど終わると、水は動きを止めます。発酵の最初の段階では、毎秒ごとに一つか、もしくはそれ以上の速さで泡が立ち上ってくるのが見えます。発酵のスピードが少し落ちてくると、泡が立つ時間はかなり間隔があき、さらにその後、二つの発酵栓の一つに水が押しあげられている状態になった時には、5~10分に一つ位になります。発酵の最終段階にかかると、一つの泡が出るのに一週間かかることもあります。明らかに、発酵栓の一つにしか水が入っていないときは、まだワインが発酵しているということですので、そのままにしておいたほうが良いでしょう。
発酵栓の二つのボトルの中の水が水平になったら、瓶の蓋を強くひねってみましょう。するとあと1日か2日発酵が続くかもしれません。雑菌の空気感染を防ぐために密封をしているのですから、ワインのコルクや発酵栓やはきっちりとしまっているか常に確認しなければいけません。もしコルクや栓のしまりが悪ければ、発酵のはじめの頃は、瓶からもれたガスが、空気がワインに触れないように守る役目をしますが、そのうちガスの勢いが無くなると、雑菌がワインにふれ、空気感染を起こしやすくなります。
コルクと栓や瓶を密封するために、シーリングワックスを少し使いましょう。栓とコルクの隙間、コルクと瓶のすきまなどを埋めてください。これは必ずしも必要ではありませんが、やっておいたほうが安全です。発酵が終わったら、発酵栓をつけたままコルクをはずし、新しいコルクに変えます。そして、前に述べたようにワインの濁りを取るプロセスに入ります。
注:シーリングワックスの代わりに蜜蝋でも良いです。
ポリエチレンのバケツや同様の容器で発酵をする場合、発酵のはじめのうちは、上部を完全に覆い、紐できつく縛るか、ゴムを使って封をしてください。発酵の際に出たガスが一定の量で出ることですきまを覆い、空気に触れさせないようにするためです。
消毒
上記で述べたように、蓋、瓶など、醸造に使う道具に、野生酵母やバクテリアがついている恐れがあります。ワインが駄目にならないように、それらを繁殖させてはなりません。容器を煮沸消毒したり、オーブンで焼いたりと大変な思いをしなくても、消毒剤を使えば、簡単で素晴らしい効果が得られます。以下の手順で作れます。
2オンス(約62g)のメタ重亜硫酸ナ通りウム(またはメタ重亜硫酸カリウム)を準備します。普通市販されている形状は二つあります。ハーフガロン瓶に満タン近く温かいお湯を注ぎ、結晶(または粉末)の薬品をいれ、解けるまでかき混ぜます。ガラス栓のついているジャーや瓶を使いましょう。
この消毒剤を使ってジャーや瓶を消毒するには、1パイントを瓶にいれ、まんべんなく内側がぬれるように振ります。その液体を次の瓶にいれ、同じことを繰り返します。そして使った液体は最後に元の入れ物に戻します。消毒し終わった後の瓶などは、消毒剤の鼻につくにおいを消すため、水ですすぎましょう。わずかに臭いが残っても害にはなりません。洗った後、水を切るために1,2分おいて、さあ、これでいつでも使えます。
コルク栓について。ワインをだめにする理由の中で一番起こりがちなのが、消毒されていないコルクが原因になることです。コルクの裂け目はワインを駄目にする野生酵母やバクテリアの温床になります。
コルクを消毒するのに一番良い方法は、まずコルクを小さな容器の中に入れ、上から重石をし、それをまた大きな瓶の中にいれ、消毒剤を注ぐことです。十分くらいそのままにしておいて、その間にワインをボトルに小分けしましょう。消毒が終わったら沸騰したお湯の中にいれゆすぎ、漂白剤で消毒したふきんで拭いて乾かします。そしてワインに栓をしていきましょう。
サイフォン、瓶詰め、貯蔵方法
ボトルの底に沈殿している澱を動かさずにワインを他のボトルに移すのは、ほとんど不可能です。ですので澄んだワインが欲しいなら、サイフォンを使いましょう。
まず、ワインの入っている容器をテーブルに置き、ワインを移し変えるための空の容器を、箱やスツールなどテーブルより低いものの上に置きます。そして1.5ヤード(約1.4メートル)の手術用の管や、プラスチックのチューブを使うだけ。こんなに簡単なのです。まず、ワインが満タンに詰められている容器にチューブを挿します。そしてワインがチューブに登ってくるまで、片方の端を吸います。口の近くまで来たら、手で、空気が入らないように端をつまんで、それを空の瓶の口に入れ、ワインが空の瓶に注がれるようにします。次の瓶にいくには、手でチューブの端を挟んで、ワインの流れが自然に止まるのをまってから、チューブの端を次の瓶の口に入れます。ワインボトルの肩のところまで来たときに、次のボトルに移る準備をするのがちょうど良いタイミングでしょう。
元の容器に入っているワインの量が少なくなってきたら、澱を吸い上げないよう、澱につかないように注意しながらチューブを深く入れてください。直径1/4インチ(約7mm)、15インチ(約38cm)の長さの管の片方の端1インチ(約2.6cm)の部分を折り返したものを作ってもらうのも良い方法です。それをゴムチューブにつないで、折り返した部分の底が、ワイン容器の底につくように入れます。でも折り返しのおかげで、先端が澱を吸い上げることはありません。
忍耐力のない方々に注意です。なるべく早くワインを完成させて、貯蔵庫に並んでいるのを見たいものですよね。その気持ちは解ります。けれども完全にワインが澄んでくるまで、瓶詰めするのは待ってください。仲の良い友達のために古いワインをあけてみたら、あなたの期待する中身とは違い、それが濁っていたということは、往々にして起こりがちです。信頼できる確認方法は―そしてそれは必ずワインを貯蔵する前に行っていただきたいのですが―強い光源にあてたワインを透かして見ることです。光の筋が見えなければそのワインは完全に澄んでいますが、光が何本かの筋になって、ボトルを通過する場合、完全に澄むまでまだ置いておいてください。友人の前で恥ずかしい思いをすることを防いでくれるちょっとしたテクニックです。
いよいよ澄んだワインの瓶詰めも終わったら、コルクで栓をして、それを瓶の口の部分に沿うようカットして揃えます。シーリングワックスで口の部分を完全に覆い、口を下向きにして貯蔵します。
この部分は大切なことです。なぜなら、そうすることにより、コルクを常に湿っている状態に保つことができ、乾燥による縮みを防げるからです。コルクが縮むとそれに従ってワックスに割れ目が出来、そこから空気の入り口ができ、ワインを駄目にする野生酵母やバクテリアが入る可能性が出てきます。
通常、良い酵母と栄養を添加されて醸造された良質のワインは、保存に十分耐えるアルコール度数があります。ある度数のアルコールは、アルコール自体が良い保存料になるのです。けれども、アルコール度数の低い品質の低いワインは空気に触れると変質する恐れがあります。この本で私が提案しているワインは、コルクの裂け目から入ってくる野生酵母やバクテリアを原因とする変質を避けるよう、十分なアルコール度数にしてあります。けれどもやはり空気に触れないようにすることは大切です。長く空気に触れることにより品質が低下し、風味や芳香も抜けてしまいます。
経験を積んだ人は(その中には私も含まれるのですが)、プラスティックの栓を使います。確実に密封してくれるからです。コーディアルの瓶にそのタイプの栓が使われていることが多いです。そのタイプの栓を使う時は、口を上向きにして保存します。ワインは一年中一定の温度に保って保存することが大切だと聞いたことがありませんか。そしてあわてて、ワイン保存用に市販されているあまり評判のよろしくない道具に手を出そうとしたことは。この理由に関してはいろいろな事が言われており、一つにはワインは人間と同じように、それぞれ最適な温度が違うからだと言われています。
もちろん急激な温度変化はどんなワインにとっても避けるべきです。ですから、石材の床の部屋や、石材の床の部屋に置かれている食品棚で保存することができればなお良いでしょう。石材の床がなくても心配しないでください。あなたが保存できる場所で十分です。
熟成
「ワインを充分に熟成させるにはどの位の時間が必要でしょうか?」と聞かれるたび、私は笑いを押し殺します。なぜなら、そう聞く人は決まって本当は熟成なんかに興味はなく、早く飲みたいためにそう聞いているからです。年月がワインをおいしくすることを信じない人がいることも驚きです。そのような人達はワインの製造過程にかかる時間を短縮したいのでしょうが、ワイン作りにおいて焦りは絶対禁物です。そのような人達はワインは6~7週間で飲めるようになると信じています。運がよければ、そのように短い時間で作られた若いワインでも、賞味に耐えるものができますが、でも味はやはり熟成されたワインとは全然比べ物になりません。言葉では上手く説明出来ませんが、とにかく全然違うのです。熟成中に絶えず起きている化学変化が、同じボトルのワインを全く違った味にするのです。
出来たワインを早く味見したくて歯がゆい思いをしている人を私は責めることは出来ません。なぜなら私も同じように、いつも新しく熟成されたワインを味見する時が来るのを、そわそわしながら待っているのです。味わうに足るワインにするには、1年間待ってください。と言うのは時間の無駄でしょう。なぜならあなたがそんなに待ちきれないことを知っていますから。サイフォンを使っている時にすでに味見していたなら特に。
瓶詰めの時に、そうですね、2本ばかり、屋根裏など出すのがたいへんな場所にワインを保存してください。もしなんなら私に送ってくれても構いませんよ。この2本はたちまち増え、あなたにワイン作りの充実感を感じさせてくれるものになります。残ったワインは自由に飲んでください。
ストックを作るには、瓶詰めが終わり、ワインを作るジャーやガロン瓶が空になったら、またその瓶でワインを作り、そのサイクルを繰り返せばよいと思います。この方法だと、何ガロンかの発酵中のワイン、熟成中の十何本かのボトル、いつでも飲めるワインが同時に存在することになりますから。そして別に取り除けておいた分を1・2年後に味わって見るとその素晴らしい味わいに、私がおいしいワインを作るには時間が必要と言った訳に納得してもらえ、これからは作ったうちの半分は屋根裏において置こうと誓うのではないでしょうか。そうなってくれれば嬉しいですし、その中の一部を5年間貯蔵していただきたいと思います。貯蔵期間が長くなればなるほど美味しくなります。それは私の経験からも言えることですし、私の家には15年間貯蔵しているワインもありますよ。
短いですが大切なこと
発酵栓, これに替わるものはなにもありません。瓶に風船をかぶせて替わりにする人がいますが、風船でも確かに密封はできますが、いつ発酵が終わったかは判りません。しかも風船だと、風船がガスでいっぱいになった時に、ガスは風船の口に逃げ場を求め、そこから空気が入ってくる恐れがあります。もう一つ替わりになりうるものは、半インチの穴を開けた3インチのガラス管にコットンボールを詰めて、発酵栓と同様に蓋に取り付けたものですが、これもいつ発酵が終わったか判りません。
酵母とそれを入れるタイミング
私がレシピで「酵母」と書いている時、どんな酵母かまでは書いていませんが、それはみなさんがどんな酵母を使うか判らないからです。ワイン酵母の場合、酵母の説明書にいつ酵母を加えればよいかが必ず書かれています。もしパン酵母を使う時は、半オンス(約16.6g)の酵母を砕いて、説明書に書かれているタイミングで入れてください。経験者やワイン酵母を初めて使う方は、まず酵母を使って予備発酵をし、出来上がった液を説明書に従ってワインに入れてください。
砂糖水(シロップ)
レシピの中には、砂糖と水をシロップにして加えるものもあります。その場合、水が沸騰する前に、砂糖が溶けていることを確認して下さい。砂糖を加える時は、容器に加えた砂糖の量を書いて貼り付けておきましょう。1「ここで1/3の量の砂糖を加える」と書かれていても、きっちり1/3にする必要はないのです。でも、必要な量を前もって取り分けておくのは良いアイデアです。そうすれば、どの位砂糖を入れたか途中で分からなくなり、混乱する必要がないのですから。
ガロンジャー
きっと誰かが、始める前に、どうやったら1ガロンの水に砂糖を加えたり、風味付けしたり、いろいろを1ガロンの瓶一つで出来るのでしょうか?と質問すると思います。ガロンジャーを使うのです。ガロンジャーは、1ガロン瓶より、半パイント(約284ml)分容量が多くなっています。作業の過程で、砂糖などいろいろな物を加えますが、最後のシロップを加える前に、ワイン他の容器に移せば、前のジャーに残った澱の分容量が減っているので、ちゃんと全ての物を加えることが出来ます。もし不運にもシロップを入れる空きがなかったら、新しく消毒したスクリューストッパー付の瓶にシロップを保存して置いてください。発酵のため何日か置いておくと、その内ワインの量が減り、シロップを加える空きが出来ます。
もしワインを発酵させるのに必要な2つ目の容器がなかったら、出来上がったばかりのワインを適当な容器に移しておいて、ガロンジャーの底に残った澱を捨て、それを洗って消毒し、その後ワインをまた元に戻します。
ソースパン
あなたの持っているソースパンが砂糖と5パイント(約2840ml)の水が一度に入るほど大きくなければ、1/4の分量の水に砂糖の全量を加えて温めましょう。そして別の鍋で残りの水を温め、それを混ぜましょう。
フルーツワイン
夏になると、かなり多くのワイン作りの愛好家が楽しんだり、世界中で数え切れないほど多くのそれ以外の人達が奮闘するのが、野生の果物や、栽培している果物の余りを使って、宴会の席に出してもおかしくないほどのクオリティのワインを作ることです。どんなにワインの製造方法が洗練されようとも、そしてどんなに簡単に特別な材料が手に入るとしても、私たちの心の中には、田舎で作られたフルーツワインのための特別な場所があります。販売されているものやその他色々なワインの中にはなく、田舎のワインの中にしかない特別な何かが、他と明らかな違いを生んでいます。
私が自分で作る方法をここに載せます。本当に簡単で成功確実ですが、その分ワインを作る際には絶対にはずせないポイントです。
昔から、そして残念ながら今でも、何千人もの家庭でワインを手作りする人達が、「果物をつぶして、それに水を加えたものを放置して発酵させる」という方法に従っています。そして他には果物を茹でるという方法もあります。この二つの方法は、必ずといっていいほど失敗します。その理由は簡単に理解できます。
葡萄や他の果物の表面についている白いブルームは天然の酵母であり、古代の人間が他の用途に使うためにつぶした果物が、たまたま発酵したものがワインの元祖になったのかもしれません。確かにこの天然の酵母だけでしたら、ワイン作りも上手くいきますが、この酵母と一緒に、他のついて欲しくない野生酵母やバクテリアも一緒についてきて、それがワインを駄目にします。
このため、良い発酵と同時に悪い発酵も起こり、それがワインの味を、ワインと言うより不味いビールか、濁ってたまらない悪臭のする液体にしてしまい、捨てるしかなくなるのです。そして酢酸菌がつけば、ワインは酢に変わってしまいます。
いったんこのような惨事が起こってしまえば、もうどうすることも出来ないので、起こらないように注意しなければいけません。
明らかにこれらの敵は初めに殺しておかなければなりません。一番簡単な方法は(少なくとも一番に思いつく方法は)、もちろん果物を茹でることです。でも問題があります。全ての果物はペクチン(ジャムをどろっとさせるゲル状の物質)を含みます。果物を茹でるとペクチンが溶け出します。ペクチンは溶解せずに、水の中でも微細な状態になって存在し、ペクチンの溶け出したワインは濁って、漉しても澄んだ状態になることはありません。つぶした果物を漉し布で漉し、果汁だけを煮るという方法もありますが、大変で時間もかかり、ワイン作りを楽しみをすっかりつぶしてしまいますよね。
明らかに、加熱せずに、煮た場合と同じように、不必要なバクテリアや野生酵母を殺す方法を使わなければなりません。しかもペクチンは少しの熱でも溶け出すので、全く加熱せずにです。
私たちの使う方法は「サルファティング」として知られている方法で、フルボディの澄み切ったワインを、いらいらしたりせず簡単に作ることができます。使う物は、ほんのちょっとの出費で買える薬剤だけです。「Campden fruit-preserving tablet」は1ボトル20個入りで、ほとんどの薬局においてあります。
普通に使えば、そして果物がひどく野生酵母などに汚染されていなければ、1ガロンの砕いた果物に対して1錠で充分です。でも、野生酵母がどうなっているのは、私たちにははっきりわかりませんよね。ですので、2錠使えば確実な効果が得られます。あまり使いすぎれば逆に発酵に必要な酵母まで殺してしまうことになります。この方法は両方のリスクを考慮に入れています。そしてこの方法だと、一番良い品質で澄み切ったワインが出来ます。1ガロンに足りない量の果物を使う時は、1錠のカムデンタブレットで、1ガロンに2錠のカムデンタブレットを入れるのと同様だとみなして下さい。けれども酵母を入れる前に、果物の入っている液体の量を増やすかどうにかして、1錠=1ガロンの基準に合わせる方が良いでしょう。
1錠のカムデンタブレットには、4グレーンのメタ重亜硫酸ナ通りウムが含まれています。ですので、カムデンタブレットが手に入れられない方は、薬局でメタ重亜硫酸ナ通りウム(もしくは3グレーンのメタ重亜硫酸カリウム)を手にいれて、それを使ってください。けれども、4グレーン一包だけだと少量過ぎて薬局が嫌がりますので、4グレーン×6~10包位で買えばよいと思います。2ガロンのワインを作れば必要量は計8グレーンになります。オンス単位で買って自分で4グレーンを軽量するのは、絶対にやめてください。必要な計器を持っていない限り、それは無理です。
もしあなたが、この科学が隅々まで行き渡った時代においてもなお、化学的な物を忌み嫌う人だった場合、これだけは言わせて下さい。二酸化硫黄(カムデンタブレットを溶かした時に生成される物質です)は、この分量だと人体にほとんど無害です。実は、1ガロンに対して8個(32グレーン)まで使えますが、そうすると必要な酵母まで殺してしまいます。
メタ重亜流酸ナ通りウムを使う方法は、あくまでも代替手段です。ですので、以下では、効果が確認されている方法を説明しましょう。
これまで一体何回同じ方法でワインを作ったでしょうか。そして毎回同じように成功しました。
作り方1は、ヘビータイプの作り方です。これらのワインは、作り方2で述べられている物よりも、色が複雑で、味わいもはっきりしています。食事と一緒に味わえる、もっと軽いタイプのワインを求めるなら、作り方その2を試してください。1と2の一番の違いは、1では果物の果肉を発酵してますが、2では果汁のみを発酵していることです。果肉を使った場合、もちろん同じ果物の量から、果汁のみより多くのワインをつくれますが、軽いタイプのワインを作る場合、あまり果肉を入れすぎると、一般的な軽いワインとヘビータイプのワインの差が無くなってしまいます。
作り方1で採られている短期果肉発酵を使うと、果物の風味や発酵など、果物の力があますところなく発揮されます。
どちらの方法にしてもベストの結果を出すには、各タイプにあった果物を使ってください。同じレシピでワインを作っても、果物と砂糖の量の違いで全く違うワインになることも覚えて置いてください。
作り方1
手で果物をつぶし、それをポリエチレンのバケツに入れ、1クォート(1.13リットル)の湯冷ましをそこに注ぎます。よく混ぜます。卵半個分くらいのお湯にカムデンタブレットを砕いて入れ、よく溶かします。そしてそれを果肉と混ぜます。
それを1~2時間置いておきます。色が少し薄くなってきますが、心配しないで下さい。その後、全量の1/3の砂糖を3パイント(1704リットル)の水に入れて火にかけ、1分間沸騰させます。
この出来上がったシロップを冷まし、果肉に混ぜいれます。そして酵母(または予備発酵液)を加え、7日間発酵させます。その後モスリンや同様の布で果肉を漉し、布に残った果肉を出来る限り固く絞り果汁を取ります。果肉は捨て、絞った果汁をガロンジャーに移します。そこに、先ほどと同様、1/3の量の砂糖と1パイント(568ml)の水で作ったシロップを入れます。発酵栓か、新品のコットンボールで栓をします。そして10日間、暖かい場所において置きます。
この時、余分のジャーを持っていなければ、ワインをポリエチレンのバケツに入れてください。その際、澱を可能な限り残すようにしてください。ジャーを濯いで消毒し、ワインを戻します。そして残りの砂糖と1パイントの水で作ったシロップを同様に入れます。同様に栓をし、そして発酵が止まるまでまた温かい場所に置いておきます。
注意:ジャーに残りのシロップを入れる空きスペースがなかったら、新しく消毒したスクリューストッパー付の瓶にシロップを保存して涼しい場所に置いておいてください。発酵のため何日か置いておくと、その内ワインの量が減り、ジャーにシロップを加える余裕が出来ます。シロップを加えた後は、発酵栓を閉めなおすのを忘れずに。
作り方2
果物をつぶしてポリエチレンのバケツに入れ、1クォート(1.13リットル)の湯冷ましをそこに注ぎます。よく混ぜます。卵半個分くらいのお湯にカムデンタブレットを砕いて入れ、よく溶かします。そしてそれを果肉と混ぜます。涼しい場所に24時間置いておきます。その間2回混ぜてください。モスリンや同様の布で漉し、残った果肉をやさしく、強くならないように絞ってください。果肉を捨てます。
1/3量の砂糖を、半ガロン(約1.リットル)の水に入れ、1分間沸騰させ、冷まします。それを果汁と混ぜます。それをバケツに入れ、酵母(または予備発酵液)をいれ、10日間発酵させます。それから、出来たワインをガロンジャーに移しますが、澱は出来る限り残してください。1/3の量の砂糖と半パイント(284ml)の水でシロップを注ぎ、先と同様にワインに入れます。発酵栓か、新品のコットンボールで栓をします。そして14日間、暖かい場所において発酵させます。
その後、残りの1/3の砂糖と半パイントの水で作ったシロップを同様にワインに入れ、方法1と同じように、発酵がとまるまで置いておきます。このレシピは1ガロンのワインの量で書いてあります。2ガロンのワインを作る時はカムデンタブレットを含めたそれぞれの分量を2倍にしてください。砂糖をどの位加えたかを忘れないように、ラベルに書いておくのを忘れずに。読者は実践していくうち、各々のタイプのワインにはそれぞれあった果物があることが判るでしょう。梨の木にジャガイモは生らないように、ルバーブからポートワインはできません。この点から、安く、簡単に手に入る果物を探して皆さんは迷うことになるのですが、結果と、出来上がったものが自分の味覚に合うかどうかは考慮に入れていないのです。まずどちらのタイプのワインが気に入りそうかを決めてから、それに合った果物を探しましょう。エルダーベリーは、素晴らしいポートワインになります。また、基本がポートワインと同じような物なら、何でもつくれます。ですので、このどこにでもある野生の果物から私たちはフルボディのポートワイン、バーガンディスタイル、クラレット、他にも作り手のお好みに合わせて作ることが出来ます。
ブラックベリーでも同じタイプのワインが出来ます。プラムやダムソン、ブラックカラントやその仲間でも同様です。でもここで全ての名前をあげる必要はないでしょう。この本ではどんな果物が合うのか予測できるように、ワインのスタイルや、果物のタイプでレシピを分けてあります。「予測」と言った訳は、果物は成っている木や、土壌、気候などの環境によって味がそれぞれ異なるからであり、それに従ってワインに含まれる糖分、酸などの量も違い、それがワインの味に違いを与えるからです。例えば、暑い夏は、果物を甘く、酸味を少なくします。雨の多い涼しい夏はその反対の結果になります。
前にも言った通り、予備発酵液が酵母として一番です。もしパン酵母やドライイーストを使わざるを得ない場合、必ずレシピに書かれているタイミングで、上からぱらぱらと振り掛けるだけでよいです。
最後になりますが、果物は必ず熟したものを使ってください。これは多くの人が考えているよりもずっと大切なことです。半分位しか熟していない果物は、1ガロンにつき1・2個、酸味を与えるために残しておいて、あとは捨ててください。最高の結果を出そうとするなら、熟した果物を使うことは大切です。
レシピ1-32(ベリーワイン)
- ブラックベリー(ポートワイン スタイル)
ブラックベリー 4ポンド[3] 、砂糖 4ポンド(または転化糖5ポンド)、水7パイント、ポート酵母、栄養剤。作り方1を使ってください。 果肉を発酵させてください。
- ブラックベリー&エルダーベリー(ポートワイン スタイル)
エルダーベリー 2.5ポンド、ブラックベリー 2.5ポンド、砂糖3.5ポンド、水7パイント、ポート酵母、栄養剤。作り方1を使ってください。果物を砕いて混ぜた後、果肉を発酵させてください。
- ブラックベリー (バーガンディー スタイル)
ブラックベリー 4~5ポンド、砂糖3と3/8ポンド(または転化糖4ポンド)、バーガンディー酵母、栄養剤、水7パイント。作り方1を使ってください。 果肉を発酵させてください。
- ブラックベリー(ボジョレー スタイル)
これは友達から教えてもらったレシピです。このレシピは第2回全国アマチュア・ワインコンテストで、600品の中から1位に輝きました。
ブラックベリー 4.5ポンド、砂糖 2.5ポンド(または転化糖3ポンド)、水7パイント、バーガンディー酵母、栄養剤、作り方1を使ってください。このワインはもちろんドライな味になります。
- ブラックベリー(ライト・テーブルワイン)
ブラックベリー 3ポンド、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4 ポンド)、水7パイント、バーガンディー酵母、栄養剤。
作り方2を使ってください。水で薄めた果汁を発酵します。
- ブラックカラント(ポートワイン スタイル)
ブラックカラント 4ポンド、レーズン 11ポンド、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4 ポンド)、ポート酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。レーズンと果肉を一緒に発酵します。
- ブラックカラント(ポートワイン スタイル)
ブラックカラント 4ポンド、水7パイント、砂糖3と1/2ポンド(転化糖4ポンド)、ポート酵母、得栄養剤。
作り方1を使ってください。果肉を発酵。
- ブラックカラントクラレット
ブラックカラント 3ポンド、砂糖2と1/2 ポンド(転化糖3ポンド)、水7パイント、汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方2を使ってください。水で薄めた果汁を発酵します。
- ブラックカラント(ライト、甘いワイン)
ブラックカラント 3ポンド、砂糖3と1/2 ポンド(転化糖4ポンド)、水7パイント、汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方2を使ってください。水で薄めた果汁を発酵します。
- チェリーワイン(軽やかな味の甘いワイン)
ブラックチェリー 8ポンド、砂糖3と1/2 ポンド(転化糖4ポンド)、水7パイント、汎用ワイン酵母または、ボルドー酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。石で重石をして、果肉を発酵します。
- チェリーワイン(ライト、ドライタイプ)
ブラックチェリー 8ポンド、砂糖2と1/2 ポンド(転化糖3と1/4 ポンド)、水7パイント、シェリー酵母が一番良いですが、なければ汎用ワイン酵母。栄養剤。
作り方2を使ってください。漉した果汁を発酵します。
- レッドカラント(ライト、テーブルワイン)
レッドカラント 3ポンド、水7パイント、砂糖3ポンド(転化糖3と3/ポンド)、汎用ワインイースト、栄養剤。
作り方2を使ってください。漉した果汁を発酵します。
- レッドカラント(ライト、やや甘い)
レッドカラント 4ポンド、水7パイント、砂糖3と1/2ポンド(転化糖4ポンド)、汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方2を使ってください。漉した果汁を発酵します。
- ダムソン(ポートワイン スタイル)
ダムソン8ポンド、水7パイント、砂糖4ポンド(転化糖5ポンド)、ポートワイン酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。石で重石をして果肉を発酵します。
- ダムソン
ダムソンジンのようなワインを作る最新の方法です。
ダムソン5ポンド、水7パイント、砂糖3ポンド(転化糖3と3/ 4ポンド)、汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。石で重石をして、果肉を発酵します。
- ダムソン&エルダーベリー
ダムソン3ポンド、エルダーベリー1と1/2ポンド、砂糖3と1/2ポンド(転化糖4ポンド)、ポートワイン酵母、栄養剤、水7パイント。
作り方1を使ってください。果肉を発酵します。
- ダムソン&ドライプルーン(バーガンディー)
ドライプルーンは前日に前もって洗っておきます。水を切ったプルーンを砕いて、同じく砕いたダムソンと混ぜます。
ダムソン4ポンド、ドライプルーン2ポンド、水7パイント、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、バーガンディ酵母、栄養剤。
- ラズベリー(ライト、ドライ)
ラズベリー4ポンド、砂糖2と1/2ポンド(転化糖3ポンド)、水7パイント、シェリー酵母または汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方2を使ってください。漉して水で薄めた果汁を発酵します。
- ラズベリー(甘い、デザートワイン)
ラズベリー4ポンド、レーズン11ポンド、水7パイント、砂糖3と1/2ポンド(転化糖4ポンド)、汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方2を使ってください。漉して水で薄めた果汁を発酵します。最初の7日間は刻んだレーズンだけを発酵してください。
- エルダーベリー(ポートワイン スタイル)
エルダーベリー4ポンド、水7パイント、砂糖4ポンド(転化糖5ポンド)、ポートワイン酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。砕いた果肉を発酵してください。
- エルダーベリー(ミディアムドライ)
エルダーベリー3と1/2ポンド、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水7パイント、シェリー酵母または、汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方2を使ってください。.漉して水で薄めた果汁を発酵します。
- エルダーベリークラレット(もちろんドライ)
エルダーベリー3と1/2ポンド、砂糖2と1/2ポンド(転化糖3ポンド)、水7パイント、シェリー酵母または汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方2を使ってください。漉して水で薄めた果汁を発酵します。
- プラム(バーガンディー)
プラム8ポンド(熟した物でしたら種類はなんでも良いです)、水7パイント、砂糖3ポンド、バーガンディ酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。石で重石をして、砕いた果肉を発酵させてください。
- プラム(ポートワイン スタイル)
濃い赤の、完熟した物を必ず使ってください。
プラム10ポンド、水7パイント、砂糖3と1/2ポンド(転化糖4ポンド)、ポートワイン酵母、栄養剤。
石で重石をします。作り方1を使ってください。砕いた果肉を発酵します。
- ルバーブ
このワインは、ドライにして食前酒として飲むのがベストです。もし甘い物を作りたいなら、かなり甘くしたほうが良いです。中程度の甘さだと、4ポンドの砂糖を使います。けれども砂糖の量を増やしたからと言って、酸味が(ルバーブワインの特徴であり、これが不人気の原因になるのですが)減るわけではありません。沈降炭酸石灰を使って酸味を取り除くと言う方法もありますが、素人には難しいですし、失敗すれば、ワインの味を台無しにしてしまいます。
ルバーブ5ポンド、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水7パイント、シェリー酵母または汎用ワイン酵母、栄養剤。
麺棒でつぶしたルバーブを、カムデンタブレット1錠を入れておいた湯冷ましにいれます。端の部分を取り除いて使ってください。まず3パイントの水を使い、5日間漬けておきます。その後、ルバーブを絞って取り出し、液を温め、砂糖の半量を溶かします。
それから10日間発酵させます。その後は他のレシピと同じです。この段階で残りの水と砂糖を加えてください。
- ローガンベリー[4]
ローガンベリー3~4ポンド、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、バーガンディー酵母、栄養剤、水7パイント。
作り方1を使ってください。砕いた果肉を発酵させます。
- スグリ(テーブルワイン)
スグリ6ポンド、砂糖3と1/2ポンド(転化糖4と1/4ポンド)、水7パイント、トカイワイン用酵母または汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。ただし果肉の発酵は3日間にしてください。
- スグリ(シェリースタイル)
シェリーを作るのに最適なスグリは、茂みに落ちている、赤くなったり黄色になったりしているものです。果肉は柔らかいけれど、皮が破れないくらいの硬さもないといけません。腐植土や白カビがついていないか確認して、ついている恐れのある物は拾わないでください。
砂糖の量:ドライで作るには、2と1/2ポンドに。ミディアムドライで3ポンド、ミディアムスイートで3と1/2 ポンド、またはそれぞれ対応する量の転化糖を使ってください。
スグリ5ポンド、水7パイント、砂糖、シェリー酵母または汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。ただし果肉の発酵は5日間にしてください。
- ビルベリー(バーガンディー)
多くの人がビルベリーを摘むために自然の中を訪れます。またビルベリーから、おいしいジャムやゼリー、“Hert”として知られるお酒が出来ます。
ビルベリー6ポンド、水7パイント、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、バーガンディー酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。果肉を発酵します。
- ビルベリー(ポートワイン)
ビルベリー8ポンド、水7パイント、砂糖4ポンド(転化糖5ポンド)、ポート酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。果肉を発酵させます。
- ビルベリー(テーブルワイン)
ビルベリー5ポンド、水7パイント、砂糖2と1/2ポンド(転化糖3ポンド)、汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方2を使ってください。漉して水で薄めた果汁を発酵します。
- スロー
スロージンから作ったおいしいワインは田舎に住んでいる人にはおなじみですね。そして特にスローから作ったスロージンは美味です。渋みがあるため、4ポンド以上は一度に使わないでください。
スロー4ポンド、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水7パイント、汎用ワイン酵母、栄養剤。
作り方1を使ってください。ただし果肉を発酵させるのは3日間だけです。
ライビーナ[5]を使ってワインを作りましょう
この有名な素晴らしいシロップを使ってワインを作るのは、とっても簡単ですが、元の果物との効果を考えた風味のものを必ず使ってください。
1ガロンに1~2本を使ってください。
ドライフルーツからワインを作る時にライビーナを加えれば、ワインの質と風味が全然違った物になります。
同じように、赤ワインの色を綺麗にだすため、果物の代わりに1・2本のライビーナを使うこともできます。ライビーナに入っている亜硫酸ガスのことは気にしなくて良いです。ライビーナ1・2本に含まれている量だと、発酵を止めるほどではないですから。けれども、最初の10日間の発酵が激しい間に入れたほうが良いでしょう。
この方法で使う場合、ライビーナ1本におよそ8オンスの砂糖が入っていることに注意してください。作る時はレシピから同量の砂糖を減らしてください。
薄めていないライビーナは発酵しません。なぜなら、1本入れた場合、1ガロン当たり7ポンドの砂糖がはいっていることになり、350ppmの亜硫酸ガスが入っていることになります。両方とも、発酵を止める原因になりえます。
明らかに、ライビーナを使う時は水で薄めて、1ガロンあたりの砂糖の量を3.5ポンド位に減らさないといけません。そうすることで、亜硫酸ガスの量も1ガロン当たり175ppmに減らすことが出来ます。
私が試して見た以下に述べる方法は、この点に気をつけて、ライビーナを最初は少ない状態からだんだん増やして入って、最後にはライビーナと水の割合が1:1になるようにしています。
なぜなら、砂糖をたくさん入れることにより、酵母に余計な負担をかけたくないですし、(加熱することでライビーナの風味を損なうことなく)同時に亜硫酸ガスの量を175ppm/1ガロンにしたいのです。
この方法は、ブリストルのロングアシュトンリサーチステーション、以前ライビーナのメーカーだったビーチャム社のロイヤル・フロレスティ工場で技術監督を務めていたV.L.S.チャーリー氏に認められています。
ここで使われる水は、全て沸騰させた後に自然に覚ましています。
ステージ1
ライビーナ2本を4本分の水に溶かします。予備発酵液を入れて、10日間発酵させます。
ステージ2
ステージ1の後、ライビーナを2本、ライビーナ1本分の水を加えて混ぜ、また10日間発酵させます。
ステージ3
計20日間の発酵の後、さらに2本のライビーナと1本分の水を加えます。そうして、発酵期間が計3ヶ月になるまで発酵させます。そうすると黒スグリの風味が強すぎることなく、なおかつ良い味にないました。
ステージ3で気をつけなければならないのは、最後の2本のライビーナを入れる頃には、発酵中に亜硫酸ガスが無くなっていると言うことです。ですから結局は亜硫酸ガスの量は175ppになります。ステージ1では、亜硫酸ガスのせいで発酵力が落ちますが、それを避けるには液体を70℃まで温めても良いです。もし正確に70℃を測れる温度計を持っていなければ、中の液体が瓶のふちに届くまで、ライビーナをゆっくり温めると言う方法もあります。亜硫酸ガスを逃したら、すぐに冷やしましょう。温める前はキャップを取ることを忘れずに。最初の10日間は口の狭い瓶を使いコットンボールで蓋をして、それから発酵栓を使いましょう。ラッキングが出来るようになるのは、最後のステージが終わってから1ヵ月後です。発酵が終わった後は毎月1回ラッキングしましょう。最後のステージでも出来上がったワインは十分飲めるほどおいしいですが、半年後は全然味が違います。
最初はライビーナを使うのは高く感じるかもしれません。けれども砂糖を加える必要もなく、手間なしで高品質のワインが出来ることを考えてください。高い果物を買う必要もなく、それを砕いたりなんだりで手を汚したり、面倒な仕事をする必要もないのですから。そして何より、ライビーナはペクチンの処理がされていることです。つまり、ワインを濁らせる心配をせずに、そうしたければ煮沸することが出来るのです。そうすれば亜硝酸ガスが逃げます。やや煮た黒スグリの味がするようになりますが。
甘いワインを作る時はライビーナを1本増やし、水を1本分減らしましょう。ドライにしたい時はその反対にします。ドライで作ると風味がやや落ちます。けれどもそれはドライな風味で補償できるでしょう。
もし1ガロンに対してライビーナを8本使えば、砂糖は大体4ポンド、黒スグリは4ポンド分入っていることになります。この割合だと結構甘いワインになります。甘いのがお好みでなければ、1ガロンに対して7本のライビーナが限界でしょう。
私が自分で試した結果、1ガロンに対し6本が一番上手くいったと思いますので、皆さんにもそれをお勧めします。
ライトタイプのワインは1ガロン当たり2ポンドの黒スグリで作られる場合が多いことも覚えて置いてください。ですから、1ガロンでこの種のワインを作れば、ライビーナは4本必要になり、12%のアルコール度数のワインになります。この成分だとドライになりますが、少し甘くしたければ、半ポンドの砂糖を加えます、それでアルコール度数も少し上がります。
リキュール・エッセンスを使ってリキュールを作りましょう
この章では最小の道具と労力で有名なリキュールやその他一般に売られているお酒と同じ内容の物を作る方法をお教えいたします。実際この方法は、おそらくエキサイティングなワイン作りのなかでも、最も簡単で、面倒が少なく、なのに見返りも多い物です。
レシピではT’Noirot社のリキュール・エッセンスを使っています。このリキュール・エッセンスの中には必要なものがあらかじめ全て含まれているので、他に何も準備は要りません。
ぜひ良い酵母と栄養剤を使ってください。パン酵母だけを使った場合、あなたをがっがりさせる結果になるでしょうから。
これらのレシピでは転化糖を使っています。なぜならそれが一番良い結果を生むからです。転化糖にはわずかに酸が含まれていて、この酸がワイン作りでは大切な働きをします。もし家庭用の砂糖を使う場合、レモン1個分の果汁か、1/8オンス(約35g)のクエン酸を加えましょう。
シロップ(砂糖水)にリキュール・エッセンスを加える時は、瓶から直接入れましょう。
何を作るか決める前に、(経験からベルモットか、またはキルシュが好みだと判っていたり、何にするかはっきりと決める理由がなければ)どんな味が好みなのか考えて見ることから始めましょう。そうすれば出来上がった物の味にがっがりする可能性も減ります。
とても大切です:ここで使っているリキュール・エッセンスは大変濃く濃縮されています。そのため、味は本当に強くなっています。決して味見をしないでください。匂いもある人々にとってはきつくて不快感を感じるかもしれません。これは普通のことです。なのでこれらの理由で敬遠して使うのをやめようと思わないでください。また同じ理由から始めの段階では、蒸留中の酒の匂いをかごうとしないように。
材料など、T’NOIROT社のリキュール・エッセンスについて
以下のリストは、これからそれらを使ってリキュールを作ることになる、リキュール・エッセンスの種類と、何から出来ているのか、その材料をあげています。これらのリキュールの材料は世界的に有名な同種のリキュールと同じ内容になるように科学的に調合されています。ですので、あなたがこれから作るものは、似たような類似品と違い、中身は本物です。
これらのリキュールは大変濃く濃縮されています。ですので、匂いで判断しないでください。原液の匂いをかいだり、発酵中のワインを味見した人は何かが間違っていると思うかもしれません。酒の強さや、刺激臭は気にしないでください。発酵がほぼ終わるまで酒の味見はしないでください。いや、この段階でも、味でリキュールの出来不出来を判断しないほうが良いです。お願いですので、完全に発酵が終わり透明になるまで、1ヶ月間は待ってください。他のワインと同じように、リキュールも時間が美味しくします。私自身の経験からも確実に言えます。このリキュール・エッセンスを使えば、世界的に有名なメーカーのリキュールと同じ内容の物が出来ます。
もうひとつ、この本の別の部分に書かれているジュニパー・オイルは、ジュニパーベリーのリキュール・エッセンスのことです。そう、この国で植木などでよく使われているジュニパーベリーです。
修道院(グリーン)
修道院(イエロー) |
高山で育った植物から作られています。
この二つでT’Noirot社は世界的な評価を得ました。 |
キュラソー(レッド)
キュラソー(ホワイト) |
もともとオランダ原産のリキュールは、青いオレンジを蒸留して作っています。 |
チェリーブランデー | 発酵しないさくらんぼから作られています。 |
ダンジグ | ドイツ原産のリキュールです。 |
キュンメル | このヨーロッパ大陸原産のリキュールは、キャラウェイシードの抽出物です。このリキュールで作ったお酒は消化を助ける働きをします。 |
ミラベル | 有名なロレーヌ産のプラムから作られています。 |
プルネル | 野生のスモモから作られています |
多くのリキュール・エッセンスは苦味とアロマのバランスを取る植物を選んでいます。ベルモットなどはその良い例ですが。フランスとイタリアのベルモットの繊細なアロマは広く知れ渡っていますが、このベルモットを作ってみることで、完成品のユニークさからT’Noirotのリキュール・エッセンスの実力がわかるでしょう。
これらのリキュール・エッセンスは、手作りリキュールの元として作られたのではありません。この用途に使うのは完全に私のオリジナルで、アイデアとレシピ、そしてそれをここで世界中の人に紹介できることを誇りに思います。
レシピに書かれているように、発酵の全ての過程でガロンジャーを使うことをお勧めします。けれども最初の10日間はポリエチレンのバケツでも大丈夫です。その場合、以前に述べたように、蓋をすることを忘れないでください。そしてバケツからジャーに移す直前に、澱や味の良い内容物をバケツに残さないように良くかき混ぜてください。容器を分けて発酵させないように。発酵が止むまでは一つの容器で発酵させてください。もしそうしてしまったら、二つのうちより透明な方を、サイフォンを使ってラッキングして、底に残った澱は捨てましょう。リキュールが透明になったら瓶詰めします。
チェリーブランデー
リキュール・エッセンス/チェリーブランデー6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
半ガロンの水に1/3の量の砂糖を入れて火にかけ、二分間沸騰させます。冷ましてからガロンジャーに移します。そして、リキュール・エッセンス、酵母と栄養剤を入れます。
直接覆うか、発酵栓をして温かい場所におき、10日間発酵させます。1/3量の砂糖を1/4の水に入れ、また二分間沸騰させます。冷まして先の液体に加え、またカバーもしくは発酵栓を閉めなおして暖かい場所におき14日間発酵させます。残量の水を残量の砂糖に入れ、先と同じようにします。発酵が終わるまで涼しい場所において置いてください。
ベルモット(イタリア)
リキュール・エッセンス/イタリアン・ベルモット6本、水、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、酵母、栄養剤。
半ガロンの水に1/3の量の砂糖を入れて火にかけ、二分間沸騰させます。冷ましてからガロンジャーに移します。そして、リキュールエッセンス、酵母と栄養剤を入れます。
直接覆うか、発酵栓をして温かい場所におき、10日間発酵させます。1/3量の砂糖を1/4の水に入れ、また二分間沸騰させます。冷まして先の液体に加え、またカバーもしくは発酵栓を閉めなおして暖かい場所におき14日間発酵させます。残量の水を残量の砂糖に入れ、先と同じようにします。発酵が終わるまで暖かい所において置いてください。
ベルモット(フランス)
リキュール・エッセンス/ フレンチ・ベルモット6本、砂糖3と1/4ポンド(転化糖4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方はベルモット(イタリア)と同じ
アプリコットクリーム
リキュール・エッセンス/アプリコット5本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
ピーチ・クリーム
リキュール・エッセンス/クリームピーチ6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
スロージン
リキュール・エッセンス/スロージン6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
ラタフィア
リキュール・エッセンス/ラタフィア6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
キルシュ
リキュール・エッセンス/キルシュ6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
ミラベル
リキュール・エッセンス/ミラベル6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
プルネル
リキュール・エッセンス/プルネル6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
マラスキーノ
リキュール・エッセンス/マラスキーノ6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
マンダリン
リキュール・エッセンス/マンダリン6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
修道院(グリーン)
リキュール・エッセンス/修道院(グリーン)5本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
修道院(イエロー)
リキュール・エッセンス/修道院(イエロー)5本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
レベレンディン
リキュール・エッセンス/レべレンディン6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
レッドキュラソー
リキュール・エッセンス/レッドキュラソー6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
ホワイトキュラソー
リキュール・エッセンス/ホワイトキュラソー6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
キュンメル
リキュール・エッセンス/キュンメル6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
ダンジグ
リキュール・エッセンス/ダンジグ6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
オゥ・ド・ヴィー
リキュール・エッセンス/オゥ・ド・ヴィー6本、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
作り方は上と同じ。
かんきつ類からフルーツワインを作りましょう
(これらの果実酒には、活きているパン酵母を使ってください)
オレンジ
このワインは、オレンジの香りが心を弾ませる、親しみやすい風味のお酒になります。大きめのオレンジ12個かまたはそれと同等の重さのオレンジ、砂糖4ポンド、酵母半オンス(約14.2g)、水1ガロン、栄養剤を用意してください。沸騰したお湯にオレンジを全て入れ、オレンジがお湯の表面から出ないように押します。オレンジをお湯から取り出し、お湯は捨てます。オレンジを小さく刻み、それを半ガロンの湯冷ましに入れます。蓋をして、48時間そのまま置いておきます。その後、オレンジの皮に含まれているオイルを出すために、手でオレンジをつぶしたり、皮を押したりします。このオイルがワインにオレンジの独特な風味を与えます。
半量の砂糖を、1/4の量の水にいれ2分間沸騰させます。冷めたらオレンジの液に加えます。そして酵母と栄養剤を入れます。暖かい場所で5日間発酵させてください。
その後、またオレンジを細かく砕き、モスリンや他の用途に合った布で漉し、固く絞ります。残った果肉は捨て、液体は発酵用の容器に戻し、また10日間発酵させます。移す時は、澱を入れないように注意してください。残りの砂糖を残りの水に入れ2分間沸騰させます。蓋をするか、発酵栓を付けて、発酵が終わるまで暖かい場所においておきます。
レモン
このお酒は元々それだけで飲むものとして作られていません。ワイン作り愛好者が、ドライフルーツでワインを作った時に、足りない酸味を補うために作るものです。物珍しさを求めて作るものでもあります。このワインは、これを元にレモンジンを作るのに特にあっています。上の作り方で、オレンジの部分をレモンに変えてください。
グレープフルーツ
このワインも酸っぱいですが、人気があります。特に1ポンドのレーズンやデーツを混ぜて作られたものはそうです。上のオレンジの代わりに大きなグレープフルーツを8個使ってください。レーズンやデーツを使いたい時は最初の発酵を始めて2・3日までに入れてください。
注意:レーズンやデーツを使う時は、砂糖を半ポンド減らしてください。なぜならドライフルーツの重量の半分は砂糖だからです。
タンジェリン
このワインは本当に美味しいワインになります。あなたの好きなだけタンジェリンを入れてください。ただし15個以上、30個以下の間で。レーズンとデーツも入れても結構です。この際はグレープフルーツのレシピに従ってください。けれども、入れないほうがあなたの気に入ると思いますよ。作り方はオレンジワインに従ってください。
フラワーワインとその他様々なレシピ
この章を始める前に私の体験から。今まで味わった中でも、最も美味しいワインのひとつが、ボーンマスのワイン作りサークルのメンバーがハリエニシダの花から作ったもので、ボーンマスのタウンホールで開かれた第2回アマチュアワイン醸造家ショーと会議の会場ででした。
フラワーワインは他の自家製ワインや売られているワインほどの、一般的な人気は望むべくもありません。独特の風味のためです。その風味は形容するのが難しく、繊細だとしか言えません。また、アロマはどのようなワインよりも素晴らしいです。
フラワーワインが他の種類のワインほどの人気が得られないのは、花を摘むのがたいへんだからでしょう。けれども花が密集して咲いている場所を見つければ、1・2ガロン分の花は簡単に集めることができます。
最高の結果を得ようと思うなら、注意が必要です。花を摘む時は、底面積の広いかごを使ってください。重さによって花が痛むと、良いワインにならないからです。花を摘むのは、空気の乾燥した日にしてください。タンポポを摘む時以外は、特に晴れの日でなくてもかまいません。タンポポの花が閉じていると探し出すのが難しいですし、閉じた花の中にワインを駄目にする虫が入っている恐れがあります。摘んだタンポポの花は閉じてしまいますが、構いません。むしろ閉じているほうが好都合です。なぜなら、ワインに使うのは花びらだけなので、閉じていれば一度に花びらをちぎることが出来るからです。
普通は花びらだけを使うのですが、花の部分全体を使って、かなり美味しいワインを作る人達もいます。
最高の結果を出すには、ワイン酵母を使ったほうが良いでしょう。汎用ワイン酵母で良いかと思います。転化糖は使わないでください。フラワーワインの芳香と、繊細な色彩が変わってしまう恐れがあります。
パン酵母をお使いいただいても結構です。予備発酵液がお好みの方はそれでも大丈夫ですよ。
ハリエニシダ
ハリエニシダの花5パイント、砂糖3ポンド、水1ガロン、酵母1オンス。ハリエニシダの花5パイントというのは最低量です。もし見つかれば1ガロンまで増やしても良いです。その際、他の材料は元のままにしておいてください。
発酵用の容器に花を入れ、半ガロンのお湯を入れます。蓋をして3日間漬けておきます。毎日かき混ぜ、そのたびに蓋をきちんと閉めなおします。
半量の砂糖を1/4量の水に入れ溶かし、2分間沸騰させます。冷めたら花を漬けている液に入れます。
酵母と栄養剤を入れ、3日間置きます。漉して花を取り、発酵用の容器でさらに7日間発酵させます。その後ガロンジャーに移しますが、澱を出来るだけ入れないように注意してください。残りの量の砂糖を残りの水に入れ溶かし、2分間沸騰させます。冷めたら花を漬けている液に入れます。蓋をするか、発酵栓をして、発酵が止まるまで暖かい場所においておきます。
注:多くの人がイーストを入れる時に、一緒にレモン1個分の果汁を入れるほうが美味しいといいます。
クローバー
クローバーの花の部分3クォート(約1.4リットル)、レモン、砂糖3ポンド、水1ガロン、酵母1オンス
花托を指で押さえ、指の間に花びらを挟んで、花びらだけを取ります。花びらを発酵用容器に入れ、半ガロンのお湯を入れます。蓋をして12時間置きます。
半量の砂糖を1/4量の水に入れ溶かし、2分間沸騰させます。冷めたら花を漬けている液に入れます。
酵母と栄養剤を入れ、7日間発酵させます。
漉して花びらを取りますが、その時強く絞らないようにしてください。そして発酵液をガロンジャーに移します。残りの量の砂糖を残りの水に入れ溶かし、2分間沸騰させます。冷めたら花を漬けている液に入れます。蓋をするか、発酵栓をして、発酵が止まるまで暖かい場所においておきます。
タンポポ
茎をほんのわずかに残したタンポポの花3クォート(約1.4リットル)、レモン2個、砂糖3ポンド、水1ガロン、酵母1オンス
クローバーと同様に花びらを取ります。発酵用の容器に入れ、3/4 の量のお湯を注ぎます。きちんと蓋をして7日間漬けておきます。
毎日かき混ぜ、そのたびに蓋をきちんと閉めなおします。花びらを漉し取り、やや強く絞ります。ワインを発酵用容器に戻します。半量の砂糖を1パイントの水に入れ、沸騰させます。それをワインに入れます。それから酵母とレモンの果汁を加えます。蓋をして7日間発酵させます。そして発酵液をガロンジャーに移します。残りの量の砂糖を残りの水に入れ溶かし、2分間沸騰させます。冷めたら花を漬けている液に入れます。
蓋をするか、発酵栓をして、発酵が止まるまで暖かい場所においておきます。
フキタンポポ
フキタンポポの花1ガロン、砂糖3ポンド、水1ガロン、酵母1オンス
タンポポの花と同じように花びらを取ってください。作り方もタンポポと同様です。
セイヨウサンザシ
セイヨウサンザシの花2クォート、砂糖3と1/2ポンド、水1ガロン、酵母1オンス
花が落ちそうになっているタイミングを見計らって摘んでください。そうすれば振って発酵用容器に簡単に落とせます。タンポポの花と同じ方法で作ってください。
エルダーフラワー
エルダーフラワー1ガロン、砂糖3と1/2ポンド、水1ガロン、酵母1オンス、レモン2個
半量の砂糖を半量の水に入れ、沸騰させます。火からおろしてすぐに、発酵用の容器に入れた花の上に注ぎます。レモン果汁を加えて、冷めたら酵母を入れます。蓋をして7日間発酵させます。
花を漉し取ります。よく絞ってください。でもあまり固く絞り過ぎないように。その後ワインをガロンジャーに移します。残りの砂糖と水を沸騰させ、2分間沸騰させ砂糖を溶かし、冷めたらワインに入れます。蓋をするか、発酵栓を付け、発酵が止まるまでおいて置きます。
他にも分量を変え、5パイントのエルダーフラワーと、3ポンドの砂糖、レモン2個、酵母1オンスと1ガロンの砂糖でも美味しいワインが出来ます。
バラの花びら
これはフラワーワインの中でも、最も素晴らしい味のものの一つです。色々な色の花びらを混ぜても良いと思います。ただ、赤と黄色を混ぜるのは避けたほうが良いでしょう。
バラの花びら3クォート(なるべく香りの強い物のほうが良いです)、水1ガロン、砂糖3ポンド、酵母1オンス、レモン2個
半ガロンの沸騰したお湯を発酵容器に入れたバラの花びらの上に注ぎます。蓋をして48時間置きます。時折かき混ぜてください。半量の砂糖を1/4の量の水に入れ、2分間沸騰させます。冷ましたら花びらの液体の中に入れ、3日間発酵させます。その後花びらを漉し取り、よく絞ります。発酵液を発酵容器に戻し、10日間発酵させます。
澱を出来る限り移さないようにして、ガロンジャーに発酵液を移します。残りの砂糖と水を同じように沸騰させ、冷めたら発酵液に注ぎます。このときレモン果汁も入れます。蓋をするか、発酵栓を付け、発酵が止まるまでおいて置きます。
紅茶
紅茶を飲んだ後の茶葉を取っておいて、それでお酒を作る人が多いのですが、香りが弱くなるのでやめたほうが良いです。新しい茶葉で薄い紅茶を出し、それを水代わりして作ったほうが良いでしょう。タンニンが味を悪くするので、強い紅茶で作らないように。
紅茶の葉ティースプーン8杯分、水1ガロン、レーズン1ポンド、レモン2個、砂糖3ポンド、酵母1オンス
分量の茶葉と水を使って、飲む時と同じように紅茶を入れます。10分間蒸らしてください。そして発酵用容器に注ぎます。
半量の砂糖を半ガロンの水に入れ、2分間沸騰させます。冷めたら紅茶の中に入れます。それからレーズンと、スライスしたレモンと果汁を入れます。酵母を加えて10日間発酵させます。毎日かき混ぜてください。
漉してガロンジャーに移します。残りの砂糖と水を同じように沸騰させ、冷めたら発酵液に注ぎます。蓋をするか、発酵栓を付け、発酵が止まるまでおいて置きます。
ティア・マリアもどき
私自身はこのワインが好きではないのですが、このワインが好きでよく作っている人はかなりの数です。一番良いのは、作るのが簡単なジャガイモのお酒か、パーニップのお酒を作って発酵が終わったら、そこに淹れたてのコーヒーを注ぐか、ティア・マリアを加えることです。入れすぎて味を台無しにしないよう注意してください。
ローズヒップワイン
家庭で作るワインの中でも、素晴らしいもののひとつです。独特の香りとそれに合ったボディとアロマがあります。自分の庭からでも、そこいらの生垣からでも、場所は問いませんが、初秋に摘んでください。外側の硬い皮は取って使ってください。
ローズヒップ4ポンド、砂糖3ポンド、水1ガロン、酵母1オンス
カムデンタブレットを溶かした半ガロンの水に、ローズヒップを漬けて洗ってください。ローズヒップを木槌でつぶすか、包丁で刻みます。それを発酵容器に入れ、半ガロンの熱いお湯を入れます。半量の砂糖を1/4量の水に入れ2分間沸騰させ、やや冷めたら、ローズヒップ液の中に入れます。酵母を入れ、7日間発酵させます。その後、ローズヒップを漉し通り、液をガロンジャーに移します。残りの砂糖と水を同じように沸騰させ、冷めたら発酵液に注ぎます。蓋をするか、発酵栓を付け、発酵が止まるまでおいて置きます。
ドライハーブを使って作るワイン
もし、ドライハーブを使ってワインを作ることに何の利点があるのかと思われたら・・・。町や大都市に住んでいる人々(ついでに田舎に住んでいる人の内のいくらかは)は、この昔ながらのワインしか作らないと言っても過言ではありません。茹でたり刻んだりと手間の掛かる新鮮な素材と違って、もうほとんど何も手間がかからず、ただ入れればよいだけだからです。ドライハーブ派も良さは新鮮な素材から作るお酒の美味しさは知っています。中には田舎に住んだことがあり、新鮮なハーブ―タンポポ、セージ、フキタンポポ、ミント、バーム類、ヤローなどの―で作ったお酒を味わったことのある人達もいます。
昔、田舎に住んでいた子供の頃にお母さんがフレッシュハーブから作ってくれた味を思い出したいという、コヴェン通りやバーミンガムなどの大きな街に住んでいる方々から、このレシピのリクエストをよく頂きます。
ドライハーブ一袋は、普通20セントもしません。そしてそれだけで1ガロンに十分すぎるほどです。個人の好みの差によって最適な量は違ってきますが、1ガロンにつき普通は2オンスで良いでしょう。それでも費用はほとんど掛かりません。私の好みは、ハートフォードシャー州、セント・アルバンズに本社を置く、ヘルス・アンド・へザー社の商品で、種類によっても差がありますが、大体1パックで1ガロンで十分です。
ハーブに詳しくて、庭や野原、近所で摘める自信のある人はそうしてください。ただし、ドライハーブ2オンス=フレッシュハーブ1ポンドである事は頭に入れておいてください。そしてこれが一番大事なのですが、摘もうとしているハーブの見た目を確実に覚えておいていてください。なぜなら薬効のあるハーブは、見た目が毒草に似ている物が多いからです。売られている物を使えばこれらのリスクを減らせます。そしてヘルス・アンド・へザー社は、希望者にハーブのガイドブックを無料で送ってくれます。
ドライハーブのレシピには、オプションでの追加として、レーズンや小麦、またその両方を書いているものもあります。この二つを加えるのは、正直特殊なのですが、追加として書かれている場合、確信犯的にハーブだけを使いたい場合は別ですが、その通りに使ったほうが良いです。ハーブ酒にないボディや芳香を与えてくれるからです。あなたの想像通り、ハーブ酒は独特の薬効と香りがありますが、フルーツワインのように豊かなアロマはありませんから。足りない酸味を補うために、1ガロン当たり1/4オンスのクエン酸か、大きなレモン2個分のどちらか、良いと思われるほうを加えたほうが良いでしょう。
ここに書いてある砂糖の量はあくまでも一般的なものですので、ドライが好きな方はお好みで減らしてください。
もうひとつ砂糖について。1ガロンの水にある程度の砂糖を加えるので、出来上がりが1ガロンより多くなるのではと思われる方もいるかもしれません。ご心配なく。この分量は水を沸騰させたり、発酵する内蒸発する分や澱として捨てる分になりますので、出来上がりは1ガロンの内に収まります。フレッシュ・フルーツを使う時よりも砂糖が少ないですが、ドライハーブは、果物のような酸味がなく、それを相殺するために砂糖を使う必要がないからです。
レシピに書いてあるハーブの量が一般的なものであり、この量に従うことをお勧めします。
発酵過程の終わり頃、例えば発酵がほぼ終わったくらいの時に味見をしてみると、出来上がったものの味の強さを判断できます。もっと強い物がお好みであれば、そこにドライハーブを入れても結構です。
逆に味が強すぎると思う場合は、薄めるために1・2パイントの湯冷ましをいれても良いです。そうした場合、ワインの全体量が多くなるので、砂糖の量が発酵には足りなくなるかもしれません。ですので、湯を沸かす時に1パイントにつき3・4オンスの砂糖を加えてください。そしてそのシロップを味見しながら適当な量になるまで加えてください。ここで紹介するドライハーブのレシピは、色々な友達から聞いた物です。私が試してみて結果も実証済みです。レシピのほとんどの物は2オンスのハーブが必要ですが、すごく強い風味が必要な時などの例外を除き、ヘルス・アンド・へザー社の1.6ペニーパックで十分でしょう。
コーラナッツを使う場合、10パック使いましょう。
このレシピに使われるハーブはほとんどの薬局で手に入りますが、商品が古いこともままあります。その点ヘルス・アンド・へザー社は大規模に商っているので商品の回転が速く、満足できる物を買えるでしょう。もしくはあなたの周囲で、信頼できるハーブ小売店を探してください。
これから以下に述べる事はドライハーブの全てのレシピに適用できます。
レモンとオレンジの皮はむいてください。果肉を砕いて入れてください。皮は入れないでください。
作り方:
砂糖と酵母以外の材料を全てポリエチレンのバケツに入れ、半ガロンの熱いお湯を注ぎます。蓋をして2・3時間置きます。半量の砂糖を1/4量の水に入れ2分間沸騰させます。火からおろしてすぐにワインに入れます。よく混ぜ、冷めたら酵母と栄養剤を入れます。バケツに入れたまま蓋をして温かい場所で10日間発酵します。毎日かき混ぜてください。その度きちんと蓋を閉めなおしてください。
10日たったら、中身を漉して出来る限り固く絞ります。漉した液をガロン瓶に移します。半量の砂糖を残りの量の水に入れ、上記と同じように沸騰させ、その後ワインに加えます。蓋をするか、発酵栓を付け、発酵が終わるまで暖かい場所においておきます。
バーム[6]
ドライバームの葉2オンス、レモン2個、砂糖3ポンド、水1ガロン、酵母、栄養剤。
パセリ
ドライパセリ2オンス、乾燥ミント1オンス(もしくはフレッシュミント1半オンス)、乾燥レッドセージ半ポンド、水1ポンド、オレンジ2個、レモン2個、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、酵母、栄養剤。
エニシダ
エニシダ2オンス、レモン2個、レーズン1ポンド、砂糖2と半ポンド(転化糖3と1/4ポンド)、酵母、栄養剤。
ダミコーラ
乾燥ダミアナの葉2オンス、コーラナッツ1オンス、乾燥レッドセージ半オンス、レーズン1ポンド、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、レモン2個、水1ガロン、酵母、栄養剤。
セージ
乾燥セージ3オンス、レーズン1ポンド、乾燥ミント1オンス、小麦1ポンド、レモン2個、砂糖2と半ポンド(転化糖3と1/4ポンド)、酵母、栄養剤、水1ガロン。
ヤロー
乾燥ヤローの花2~3オンス、レモン2個、オレンジ2個、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
クラリセージ
乾燥クラリセージ3~4オンス、レーズン1ポンド、レモン2個、オレンジ2個、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
ワレモコウ
ワレモコウの花3オンス、レーズン1ポンド、小麦1ポンド、オレンジ2個、レモン2個、砂糖3ポンド(転化糖3と3/4ポンド)、水1ガロン、酵母、栄養剤。
半ガロンのワインに、アニスとリコリスをほんの少しだけ、発酵が終わる頃に入れることをお勧めします。そうすれば、これらのハーブの最適量―1ガロンにつき4オンス―を超えて入れ、ワインを駄目にしてしまうことはないでしょうから。もちるん初心者のうちは、風味付けをする各々のハーブについて的確に判断できないでしょう。もし間違ったハーブをいれ、ワインを不味くしてしまったら、砂糖水を入れ薄め、発酵中にまた次のハーブを加えてください。使おうとするハーブの袋を開けてみて、どうも香りが薄いのではないか、必要な風味をつけるのに足りないのではないかと思ったら、適宜追加を加えて、2・3日毎に味見をしてみてください。
あなたがいっぱしの経験者になるまで、飽きることのない種類のレシピをこの本には載せてあります。ですが、30~40種類のワインが一度にストックされている状態になるほどたくさんの種類を一度に作ろうとしないでください。なじみのある果物を使い、半ガロン、6種類当たりから始めてください。この量だと、常に余分のストックがあり、もしこの中のどれかが上手くできなかった場合にも、他にまだ飲めるワインがありますから。
ドライフルーツと穀物から作るお酒
材料が簡単に手に入り、なおかつ美味しいワインが出来ることを発見した街の人達の間で、穀物とドライフルーツからワインを作ることがブームになっています。穀物とドライフルーツから一緒に作ったものは、充分であるが強すぎない風味を持ち、甘く作られていない時は、ウイスキーやブランデーの様な味わいを持ちます。これらのワインは2年間という比較的短い時間で最も美味しくなりますが、1年でも充分美味しく味わえます。ルートワインは酸味を補うために(この章のルートワインのレシピを参照して下さい)何かを加える必要がありますが、必ずレモンかオレンジにしてください。
ほとんどのドライフルーツは発酵を防ぐための亜流酸塩が添加されていますし、小麦や他の穀物には、泥やごみやバクテリアなどが付着しています。ですので、使う前に良く洗ってください。レーズンを沸騰したお湯に入れ、もう一度沸騰したら火を止め、レーズンを上げ、残った水は捨ててください。これで完了です。小麦や他の穀物も同様にしてください。ただし、それぞれ別にしてください。これで準備完了です。
タンニンについて
ほとんどのワインでは、果物に含まれているタンニンを必要な物としてそのまま残してあります。タンニンはワインの風味を作る上で、重要な働きをしています。適度に含まれている時には、その働きにほとんどの人が気に留めませんが、多すぎる時、渋みや強く入れすぎた紅茶のような味がするせいで、ワインにはタンニンが含まれていることに改めて気づくでしょう。果物に含まれているワインは通常そのまま使っても大丈夫な量です。
普通に作ると、ドライフルーツで作ったワインにはタンニンはほとんど含まれていません。ですので、必要な量を補うために淹れたばかりの紅茶(強くなりすぎないように注意)をティースプーン1杯入れてください。葡萄から取ったワイン用のタンニンも売られていますが、紅茶は安くてどの家庭もあるものですから。
カナディアンウイスキー
小麦2ポンド、レーズン2ポンド、レモン1個、オレンジ4個、砂糖3ポンド、酵母1オンス、水5クォート、淹れたての紅茶ティースプーン1杯
半量の水を半量の砂糖と共に1分間沸騰させ、レーズンと小麦を入れます。それを発酵容器に入れ、レモン果汁を絞り入れます。オレンジの皮と実を刻んで、そこに入れます。皮に含まれているオイルを出すため、手で潰して加えてください。冷ましてから酵母を加え、10日間発酵させます。実を漉し取ってから出来るだけ強く絞り、液体をガロンジャーに入れ、紅茶を加えます。
残りの砂糖と水を1分間沸騰させ、冷めたら液体に加えてください。蓋をするか発酵栓を付け発酵が終わるまで置いておいて下さい。
ブレーバリーズ・オウン・スコッチ
全国のワイン作り愛好家の間で有名スコッチの別バージョンレシピです。
小麦1と1/2ポンド、レーズン1と1/2ポンド、オレンジ4個。砂糖3と1/2ポンド、酵母1オンス、水9パイント、紅茶ティースプーン1杯。
スライスしたオレンジの実と皮を加えて、カナディアンウイスキーと同様に小麦とレーズンの入った液体を作り、発酵容器に入れます。半量の砂糖と半量の水を2分間沸騰させ、液体に注ぎます。よく混ぜ、冷めてから酵母を入れます。蓋をして7日間発酵させます。毎日混ぜ、その後は蓋をきっちり閉めてください。実を漉し取ってから出来るだけ強く絞り、液体をガロンジャーに入れ、紅茶を加えます。残りの量の砂糖を残りの水に入れ2分間沸騰させ、冷めてから液体に加えます。蓋をするか発酵栓を付け発酵が終わるまで置いておいて下さい。
レーズンワイン
レーズン3ポンド、レモン3個、砂糖2ポンド、水9パイント、酵母1オンス、紅茶ティースプーン1杯分。
大量のレーズンを使う時は、レーズンに含まれている糖分を考慮して、砂糖は控えてください。さもなければドライな味ではなくなってしまいます。ドライな味にしたければ、1と1/4ポンド位の砂糖が適当でしょう。レーズンとスライスしたレモン、紅茶を発酵容器に入れます。全量の水に全量の砂糖を入れ、沸騰させます(ソースパンに入らなければ半分づつでかまいません)。火から下ろしてすぐに発酵容器に注ぎます。冷めたら酵母を入れ、14日間発酵させます。毎日かき混ぜ、その後は蓋をきっちり閉めてください。その後、実を漉し取ってから出来るだけ強く絞り、液体をガロンジャーに入れます。蓋をするか発酵栓を付け発酵が終わるまで置いておいて下さい。
プルーンポートワイン
プルーン6ポンド、レモン2個、砂糖3と1/2ポンド、水9パイント、酵母1オンス(このワインには紅茶を入れません)。
カムデンタブレットを一錠溶かした水で、プルーンを良く洗います。2ポンドの砂糖を7パイントの水に入れ沸騰させ、熱い内にプルーンに注ぎます。冷ましてから蓋をして10日間発酵させます、果肉が柔らかくなったら毎日砕くようにします。10日後、砕いた果肉を漉し取ります。出来るだけ強く絞り、液体をガロンジャーに入れ、残りの量の砂糖を残りの水に入れ沸騰させ、冷めてから液体に加えます。蓋をするか発酵栓を付け発酵が終わるまで置いておいて下さい。
カラントワイン
カラントには酸味があるため、レモンを加えません。紅茶も加えません。
カラント4ポンド、レーズン、砂糖2と3/4ポンド、酵母1オンス、水9パイント。
プルーンと同じように準備をし、発酵容器に入れます。半量の砂糖を7パイントの水に入れ2分間沸騰させ、一度にカラントに注ぎます。冷ましてから酵母を入れます。蓋をして12日間発酵させます。毎日かき混ぜ、その後は蓋をきっちり閉めてください。
その後、実を漉し取ってから出来るだけ強く絞り、液体をガロンジャーに入れます。
残りの量の砂糖を2パイントの水に入れ2分間沸騰させ、冷めたら液体に注ぎます。10日後、砕いた果肉を漉し取ります。出来るだけ強く絞り、液体をガロンジャーに入れ、残りの量の砂糖を残りの水に入れ沸騰させ、冷めてから液体に加えます。蓋をするか発酵栓を付け、発酵が終わるまで置いておいて下さい。
ドライアプリコットワイン
これは本当に素晴らしい味わいの淡い金色のワインです。多くの人がドライの方が美味しいと言います。「女性のための低アルコールワイン」の章を参照下さい。
ドライアプリコット6ポンド、オレンジ、砂糖3と1/2ポンド、水9パイント、酵母1オンス、紅茶ティースプーン1杯分。
オレンジの皮と身を剥いたものと一緒に、アプリコットを発酵容器に入れます。オレンジの皮を入れる際は皮を手で押さえて、出来る限りオイルを取ります。
7パウンドの水に2パウンドの砂糖を入れ2分間沸騰させます。火から下ろしてすぐに発酵容器に注ぎ、冷めたら酵母を加えます。毎日一度果肉を手で砕いて、その後蓋をきちんと閉めます。10日後、砕いた果肉を漉し取ります。出来るだけ強く絞り、液体をガロンジャーに入れ、残りの量の砂糖を残りの水に入れ沸騰させ、冷めてから液体に加えます。そして紅茶を入れます。蓋をするか発酵栓を付け、発酵が終わるまで置いておいて下さい。
デーツワイン
このワインはそれ自体の風味がほとんどないので、風味を加える為にレモンとオレンジを加えてください。そして、オレンジの量が風味の決め手です。けれども特別の目的のために風味を抑えた物が欲しいのなら、風味が強すぎる物とブレンドするか、お好みのリキュールエッセンスで風味をつけるか、全くオレンジを入れないで下さい。
皮を剥いたデーツ3ポンド、レモン1個、オレンジ6個、砂糖2ポンド、水9パイント、酵母1オンス、紅茶ティースプーン1杯。
このワインの作り方はドライアプリコットと全く同じです。
プルーンとレーズンワイン(ビンテージ)
プルーン3ポンド、レーズン1ポンド、小麦1ポンド、レモン2個、オレンジ2個、水9ポンド、酵母1オンス。
レーズンとプルーン、小麦は上記に書いたように準備します。スライスしたレモンとオレンジと一緒に発酵容器に入れます。半量の砂糖と7パイントの砂糖を2分間沸騰させ、火をから下ろしてすぐに発酵容器に注ぎます。冷めたら酵母を加えます。10日間発酵させます。毎日一度果肉を手で砕いて、その後蓋をきちんと閉めます。10日後、砕いた果肉を漉し取ります。出来るだけ強く絞り、液体をガロンジャーに入れ、残りの量の砂糖を残りの水に入れ沸騰させ、冷めてから液体に加えます。蓋をするか発酵栓を付け、発酵が終わるまで置いておいて下さい。
アイリッシュ・ウィスキー
小麦2ポンド、レーズン1ポンド、ジャガイモ1ポンド、レモン2個、オレンジ4個、酵母1オンス、砂糖3ポンド、水9ポンド。
小麦、レーズン、レモン、オレンジの材料を上記と同じように準備して、発酵容器に入れてください。
きれいに洗って、おろしたジャガイモを5ポンドの水に入れ、煮てください。10分以上煮ないように。浮いてきたくずは掬い取ってください。もし10分たってもくずが浮いてくるようでしたら、火を弱くして、くずが浮いてこなくなるまで煮て、全て取ってください。
漉して発酵容器に入れ、残ったジャガイモは捨ててください。半量の砂糖を2パイントの水に入れ、2分間沸騰させ、液体に加えます。冷めたら酵母を加えます。10日間発酵させます。10日後、砕いた果肉を漉し取ります。出来るだけ強く絞り、液体をガロンジャーに入れ、残りの量の砂糖を残りの水に入れ沸騰させ、冷めてから液体に加えます。蓋をするか発酵栓を付け、発酵が終わるまで置いておいて下さい。
自分のオリジナルワインを作ろう
想像力のある読者は、同じ材料で量を帰ると、様々な違ったワインが出来ることに気付いたでしょう。そして、自分のオリジナルレシピでワインが出来るのではないかと思ったのでは?ええ、その通りです。
ここに挙げたほとんどのレシピは応用が利きます。量を変えたり。ほかの材料に変えたり、お好みの香りを付け加えたりすることが出来ます。新しく材料を加える時は、ワインの量が全体で6ポンドを越えないように注意して下さい。そうしないとワインの味をを駄目にしてしまいます。
葡萄から作るワイン
普通の方法で作る場合、全てを葡萄から作るというのは現実的なやり方ではありません。水と砂糖無しで、単に葡萄を潰して発酵するという事になってしまうからです。もし完全に熟した葡萄だけで作るのなら、それは数あるワインレシピの中で最も簡単な方法ですが。たとえ熟しているように見えても、小さな葡萄の房には熟した粒の隣に小さな実がたくさん付いています。葡萄を砕く前にこれらを完全に取らなければいけません。軸も含めて一房全体を使います。葡萄の房についているブルームは、発酵に役立つ良い微生物かもしれません。でも結局は、それが判断できるのは発酵が終わりかける頃で、実は野生酵母やバクテリアだったと言うことになるかもしれません。1ガロンのワインを作るには最低でも20ガロンの葡萄が必要です。その量でもワインには足りないかも知れませんが、少なくともそれで1ガロンの葡萄の絞り汁は出来ます。葡萄は多ければ多いほど良いです。
葡萄が必要な分だけ確保できれば、次の方法を試してみてください。
作り方
葡萄を全て適当な容器にいれ、潰します。全ての粒が潰れていることを確認してください。果肉の量を出来る限り正確に測るか、目視して判断し、1ガロンに1錠の割合でカムデンタブレットか、4グレーンのメタ重亜硫酸ナ通りウムを入れてください。卵の殻半個位のお湯に溶かして入れてから混ぜ、24時間置きます。
その後、全体を良く攪拌し、酵母を加えます。5日間そのまま発酵させます。
そして、途中で破れないように、頑丈な荒い布で果汁を漉し、出来る限り強く果汁を搾り出します。果汁をジャーに入れ、他の種類のワインと同じように発酵させます。
この時絞った後の皮に、果汁の1/4量の水を加えて、皮から出来る限り残った果汁を絞り取るのも良いです。この果汁を砂糖を溶かすのに必要な分だけ温めて、1ポンドの砂糖を加えてください。それを果汁と混ぜるのですが、果汁を入れる前にガロンジャーに入れます。
上のようにする場合、充分なアルコール量のワインを、常に安定して作るためには、1ガロンにつき2~2.5ポンドの砂糖が必要であると言うことを覚えておいて下さい。上記の様に絞った葡萄果汁にこの量が含まれていることはほとんどないので、葡萄を潰す時に1ポンドの砂糖を前もって加えておくのも良いでしょう。それでもドライすぎるようでしたら、もう少し甘くしても良いです。
果汁に糖分がどの位含まれているのか、液体比重計を使っても良いですが、経験のない人には難しいでしょう。ですので私が上に書いた方法が良いと思います。そしてドライすぎるようでしたら、砂糖を追加し、6章で書いたようにカムデンタブレットかメタ重亜硫酸ナトリウムを加える方法が良いと思います。
皮がワインに色をつけるので、黒い葡萄から赤ワインを作りたいなら、上記の方法で皮も一緒に発酵して作ってください。黒い葡萄から白ワインを作りたいなら、果汁を絞って、果汁だけ発酵してください。果汁だけの場合、発酵は24時間でよいです。
もし、葡萄のワインと同時に、エルダーベリーやプラム、ブラックベリー、ダムソンなどのワインを作るなら、それらの果物を漉した後の果肉を葡萄の果汁の中に入れて、一緒に発酵させるのも良いアイデアです。けれども発酵は他の果物に必要な時間に合わせないように。
もし葡萄が豊富にない時は、以下のレシピが特に役に立つでしょう。作り方は2章でのフルーツワインを参考にしてください。赤ワインを作る時は葡萄全体を、白ワインを作る時は果汁のみを使うことを覚えておいて下さい。これはもちろん黒い葡萄を使う場合です。琥珀色や緑の葡萄を使う時はあなたのお好きなようにして下さい。
葡萄を使うワインの簡単なレシピ
葡萄9~12ポンド、レーズン2ポンド、水2パイント、砂糖1ポンド、ポートワイン酵母または、バーガンディ酵母
葡萄8~10ポンド、プルーン2ポンド、水2クォート、砂糖2ポンド、ポートワインまたは、バーガンディ酵母
黒い葡萄10ポンド、プルーン2ポンド、レーズン2ポンド、水2ポンド、砂糖1と1/2ポンド、ポートワイン酵母またはバーガンディ酵母。
葡萄10ポンド、エルダーベリー2ポンド、水4ポンド、砂糖2ポンド、ポートワインまたはバーガンディ酵母
葡萄8ポンド、ダムソンかレッドプラム6ポンド、砂糖2ポンド、水2ポンド、ポートワインかバーガンディ酵母。
注意:プラムとダムソンから果汁だけを取るのは難しいため、果肉も一緒に発酵させてください。
葡萄8から10ポンド、ブラックべりー8ポンド、水4ポンド、ポートワインまたはバーガンディ酵母、砂糖2ポンド。
注意:栄養剤は不必要です。なぜなら葡萄に充分な量が含まれているからです。
蒸留酒
おばあさん達の時代には、ブランデーは一瓶たったの50セントしかしませんでした(良い時代だったのですね)。そのため、現代でしたらほんの少しの量になってしまう金額で、おばあさんたちの時代はガロン規模を醸造することが出来ました。
けれどもここで紹介するジンやブランデー、ウイスキーはアルコール度数が高いため、一瓶で市販されているものの2瓶分を取ることが出来ます。
レシピを紹介する前にちょっと一言。手作りのワインは、大体全体量の14%量のアルコールを含んでいます(これは24プルーフに匹敵します)。この度数のアルコールはアルコール自体が殺菌剤になり、ワインをすぐに酸化させる酢酸菌やバクテリアを、それらを見つけると素早く殺します。
市販されているワインの中でアルコール量は24%(約35プルーフ)を超えるものはほとんどなく、大体が14%(約24プルーフ)から19%(33プルーフ)で、19%だとかなり高いと言えます。ですので、70プルーフ(約40%)のジンを作ってそれを2瓶に分けても35プルーフ(20%)になり、かなり高いアルコール度数と言えます。ウィスキーやラムも同様に2倍に出来ます。ブランデーはもう少し高いアルコール度数で出来上がるので、もっと薄めて大丈夫です。ただ、30プルーフ以下にしないようにしてください。レシピに書かれている量を2倍に薄めて2倍の量の出来上がりにするか、半量のレシピで作り、レシピ量通りの出来上がりにするかした方が無難でしょう。
大量に消費することが予測できる時、例えばクリスマスやパーティなどでは出来上がり1瓶から3・4瓶に薄めても良いです。
出来上がった蒸留酒を薄めると、自然と風味も薄まってしまいますが、それは何かその風味を補う物とカクテルにすることで埋め合わせることが出来ます。上記の種類の市販されているお酒は、ほとんどストレートで飲まれることはありません。普通ウィスキーは水割りか(私に言わせるとそれはほとんど犯罪ですが)、ジンジャーエール、ソーダで、ラムはペパーミントかオレンジコーディアルで、ジンはレモンやオレンジコーディアルを使い、ジン&オレンジなどにして飲まれることが多いです。そして大抵の場合元の3分の1量のアルコールに薄められます。
ですので、バーで出されているこれ等のお酒を使ったカクテルは23プルーフ位までアルコール量が減っています。これから紹介するスロー・ジンは35プルーフ、チェリーブランデーは40プルーフになります。飲む時はこの度数を忘れないように。そうしないと市販のお酒の2倍の速さで酔い、いつの間にか酔いつぶれてテーブルの下に沈没することになりますよ。
もし手作りのスローワイン、ダムソンワイン、オレンジワイン、チェリーワインなどのワインがあれば、それを使って1瓶から2瓶かもしくはそれ以上のチェリーブランデーや、スロージンなどを蒸留できます。その作り方もここで説明します。
ここで紹介しているレシピは特別に甘くもなければドライでもありません。やや甘めがお好みでしたら、レシピに書かれている砂糖の半量を増やしてください。同じようにドライにしたければ、半量の砂糖を減らしてください。
ただし、リキュールが含まれているレシピの場合には、砂糖の量はレシピに書かれている通りにしてください。
注意:このレシピの分量で、1瓶と書かれているときは1瓶、1瓶半と書かれているときは1瓶半、言葉通りの意味です。普通この国でスピリッツやワインが入っているボトルは5ジル=1パイントと1ジルの容量があります。そして輸入されているワインのボトルはほとんど1パイントの容量です。ですので、計量するときは、必ず同じ容量の瓶を使うようにしてください。
もしホワイトホースやブースジンの瓶を使うなら、2番目の瓶も同じ様なものにした方が良いでしょう。
チェリー・ブランデー
ブラックチェリー1.5ポンド、白砂糖8オンス、ブランデー1瓶、皮むきアーモンド8個(普通加えて作るのですが、個人の好みでお好きなように)
ブラックチェリーを洗い、水を切ります。ブランデーを4ポンド容量のキルナージャー(これが一番です)に注ぎ、ブラックチェリーから慎重に中の種を通り、ブランデーに漬けます。お好みでアーモンドも加えてください。
蓋をきっちりと閉め、涼しく、出来れば暗い場所に6~8週間置きます。週に2回、ジャーを振ってください。その後、中身を漉し取って絞り、液体を小さな瓶に移し、中の液体が澄んで来るまで同じように置いておきます。それからラッキングするか、手で液体を同量ずつ2瓶に分けます。砂糖を1パイントの水に入れ2分間沸騰させます。冷めたら、前記の瓶に、口の1インチ下くらいまで注ぎいれます。全体に行き渡るよう良く混ぜてください。封をして1ヶ月置いておきます。
ダムソンジン
ダムソン1ポンド、砂糖3ポンド、ジン1瓶
洗って乾かしたダムソンの種を取ります、4ポンドのキルナージャーに入れます。砂糖を振り入れ、ジンを注ぎます。きっちりと蓋を閉め、涼しく、暗い場所に3ヶ月間置きます(お急ぎでしたら2ヶ月間でもかまいません)。週に2回、ジャーを振ってください。
その後、中身を漉し取って絞り、液体を小さな瓶に移し、その上から再び漉した果肉から果汁を絞り入れ、中の液体が澄んで来るまで同じように置いておきます。それからラッキングするか、手で液体を同量ずつ2瓶に分けます。水を沸騰させ、自然に冷めたら、前記の瓶に、口の1インチ下くらいまで注ぎいれます。きっちり封をして1ヶ月置いておきます。
スロージン
スロー1ポンド、砂糖5オンス、ジン1瓶
スローを洗って水を切ります。銀かステンレスのフォークもしくは縫い針で、まんべんなくスローの全体に穴を開けます。4ポンドのキルナージャーに入れます。砂糖を振り入れ、ジンを注ぎます。きっちりと蓋を閉め、涼しく、暗い場所に6週間置きます。週に1回、ジャーを振ってください。
その後、中身を漉し取って絞り、液体を小さな瓶に移し、その上から再び漉した果肉から果汁を絞り入れ、中の液体が澄んで来るまで同じように置いておきます。それからラッキングするか、手で液体を同量ずつ2瓶に分けます。水を沸騰させ、自然に冷めたら、前記の瓶に、口の1インチ下くらいまで注ぎいれます。瓶を良く振ります。封をして1ヶ月置いておきます。
オレンジウィスキー
オレンジ4個、レモン2個、セビリアオレンジ(橙)もしくは代わりにオレンジ1個かレモン1個、砂糖4ポンド、ウィスキー1瓶
オレンジを剥いて、中の白い皮をきれいに取ります。良く刻んで果肉を4ポンドのキルナージャーに入れます。オレンジ1個分の外側をおろして入れます。この時白い部分が入らないように注意して下さい。
砂糖を振り入れ、ウィスキーを注ぎます。きっちりと蓋を閉め、涼しく、暗い場所に1週間置きます。毎日1回、ジャーを振ってください。
その後、中身を漉し取って絞り、液体を小さな瓶に移し、中の液体が澄んで来るまで同じように置いておきます。それからラッキングするか、手で液体を同量ずつ2瓶に分けます。水を沸騰させ、自然に冷めたら、前記の瓶に、口の1インチ下くらいまで注ぎいれます。瓶を良く振ります。封をして最低2ヶ月置いておきます。
オレンジジン
オレンジ6個、レモン1個、セビリアオレンジ(橙)1個もしくは代わりにオレンジ1個かレモン1個、砂糖5ポンド、ジン1瓶
作り方はオレンジウィスキーと同じ
果実酒
果実酒に関しては、果実酒に適したフルーツを使う場合は何を使っても、作り方は同じなので、一つのレシピで充分です。
ここの果物の量は、1瓶分のブランデーを使って、2瓶分のお酒を作る時、風味をつけるのに(必要な水分量には足りないと思います)必要な量を載せてあります。もし水分がが足りない時は、湯冷ましを加えてください。砂糖は半ポンドで1/4パイントの容積を占めるということを頭に入れておいて下さい。
このレシピのお酒は全て、40プルーフの度数になります。前に書いてある通り、これは強い度数です。
つまり80プルーフの生酒を薄めることになるので、その場合、砂糖水を加えて、2本半に増やすことも出来ます。それでも出来上がりは32プルーフですので充分な強さがあります。
もしクリスマスの三日間や週末を使ってのパーティーなど大量に必要で、予算を第一に考える時は、ブランデーやチェリーブランデー、スロージンやその他何でもお好みのお酒1瓶から3本の果実酒に増やすことが出来ます。ワインから果実酒を作るレシピ通りキュールエッセンスから果実酒を作るレシピを参考にして下さい。
レシピの量をきっちり半分にし、そこに水を少し付け加えることにより、出来上がりを1瓶に量を調整出来ます。
果物 | 量(ポンド) | 砂糖 | ブランデー |
ブラックカラント | 1 | 4 | 1瓶 |
レッドカラント | 1と 1/2 | 5 | 1瓶 |
苺 | 1と 1/2 | 3 | 1瓶 |
チェリー | 2 | 4 | 1瓶 |
ラズベリー | 1 | 5 | 1瓶 |
ローガンベリー | 1 | 4 | 1瓶 |
ブラックベリー | 1 | 5 | 1瓶 |
手で果物を潰して、容器に入れて、しっかりと封をし、とても暖かい場所に12時間置きます。モスリンや適切な布を何枚か重ねて厚くしたものを使って気をつけて漉します。漉した果肉は絞らずそのまま捨ててください。
漉した液体をブランデー瓶と同じサイズの瓶に入れ、上まで湯冷ましで満たします。振って良く混ぜ、しっかりと栓をして涼しい場所に一時間置きます。この時澱が出来るので、澱を動かさないように気をつけて、静かに他の瓶に中身を移します。澱が移りそうだと思ったら、もったいなくても液体は多めに捨ててください。澱を液体と一緒に熱すると、永久に消えない濁りになります。
コーティングのはげている部分のないソースパンに液体と砂糖を入れ、2分間沸騰させます。冷めたらブランデーの瓶と同じサイズの瓶にきっちり半分づつの量に分けて入れます。口の部分までそれぞれブランデーを注ぎいれます。もしブランデーが、コルク栓で蓋をした時、その下の部分から1インチ(約2.6cm)の高さに届かないようであれば、その高さまで湯冷ましを注ぎます。栓をきっちりと閉め、良く振ってから少なくとも1ヶ月は置きます。澱が底に溜まっていたら、提供する前にデキャンタします。
自家製ワインから作る蒸留酒とパーティ用のお酒
私たちのほとんどの家にワインのストックがあり、クリスマスやパーティの時にはこれを使ってどうにか安く必要なお酒を作れないかと考えます。問題はどの位スピリッツを加えればよいかと言うことです。
最初に、そしてこれが普通ですが、良く出来たワインは上のような手を加える必要はありません。なぜならワインが充分発酵すると自然に14%(24から26プルーフ)のアルコール量になるからです。例外はありますがこれが大体市販されているワインのアルコール度数です。
パーティが多い時期に良く質問されるのは、どうやったら1瓶のスコッチなどをより多く増やすことができるのかなど、経済的な質問です。前にも書いたように、スピリッツはそのまま飲まれることはほとんどありません。ジンジャーエール、オレンジやレモンリキュールなどと混ぜてカクテルをつくることで、4倍にまで増えます。自分オリジナルの方法を試したい方のためには、アルコール度数とプルーフを計算する方法、ここまでだったら美味しく飲めるだろうというアルコール度数の許容量を書いてあります。
このその場しのぎの方法を使いたくないと言う方は、以下の方法が参考になるでしょう。
まずはウィスキーやジン、ラムなど70プルーフものから始めてみましょう。ダムソン、スロー、レモン、オレンジなどの果物は甘くしてもしていなくてもジンと混ぜるのに最適です。
ジン、ワインを例に使って説明します。1瓶にジンは約40%、ワインは14%のアルコールが含まれています。この2つを混ぜ合わせます(簡単にするため、この2つは同量と仮定します)。そうすると、混ぜあわせたものの1瓶には、ジンのアルコール分20%、ワインのアルコール分7%が含まれていることになり、合計で27%になります。
判り易いように、別の形で表現してみます。
ジン40%+ワイン14%=54%
けれどもこの上の計算だと、お酒の量も2倍になっているのでこれを半分に割って1瓶の量あたり27%になります。
注意:もちろん14%の度数のワイン2本を混ぜて割っても、1本あたりの度数は14%ですが、アルコールを強化するときはそれぞれのボトルのアルコール度数を勘定に入れければなりません。ですので、度数14%のワイン3本=42%、それに度数40%のジン1本を足すと、計82%になります。それを全部のボトルの数で割ると一本あたりのアルコール度数は20%強になります。
もう少し見てみましょう
14%のワイン5本=70%
40%のジン1本 =40%
計 110%
ここでは合計6本使ったので、110÷6=18%になります。ウィスキーやラムを使う時も同じように計算します。
ウィスキーと混ぜるのにあったワイン
ルートワイン(ビアルートは含まず)―小麦などの穀物やレーズン、その両方を加えた物。グレインワイン―麦やとうもろこしなどを主原料とするもの。オレンジ、タンポポ。
ラムと混ぜるのに合ったワイン
酸味の高いルートワイン
ルバーブなどの酸味の高いワイン
オレンジ
レモン
グレープフルーツ
ポートワインやその他アルコール度数の高い赤ワインと混ぜるのに合うワイン
エルダーベリーや、その他一種類の果物から出来ているワイン。または果物を混ぜて作ったワイン。小麦やとうもろこしなどの穀物から作られたワイン。
白ワイン。レーズン。ラスプベリー、ローガンベリー。レッドカラント、ホワイトカラント。アルコール度数の高いホワイト“ポート”、またはアルコール度数の高い白ワインにこれ等が入っているもの。
注意:スピリッツ類と較べてポートワインはアルコール度数が低いので、長く保存するつもりならワイン1本につきポート類1本までにしておいて下さい。ワイン2本以上ポート類1本の割合で混ぜる場合、3・4日以内に飲んでください。
女性に好評のワイン―保存料の入った、低アルコール度数の甘い、またはドライなワイン
大概において、ワインを酔っ払うための液体とみなして出来るだけ強い物を欲しがるのは男性です。けれども、アルコール度数だけが全てではありません。多くの、特にヨーロッパ大陸のワインには、8~11%の間の物もあります。この本のレシピに載っているものは、今まで見た通り、かなりアルコール度数が強いです。マイルドな風味で低アルコール(味はドライから甘い物と色々ですが)を好むのは女性です。ですので、この章では女性に合ったワインレシピを紹介します。
今までも述べた通り、アルコール自体が保存料の役目を果たします。ですので、度数12%以下のワインは再び発酵が始まる恐れがあります。なぜなら、元々ワインに含まれていたものであれ、何らかの理由でワインの中に入った物であれ、酵母がワインに残っている糖分を栄養に出来るからです。超ドライの低アルコールワインだけが、糖分が全く含まれていないため、発酵を避けることが出来ます。
けれども、皆がみな超ドライを好むというわけではありません。多くの人はミディアム・ドライ、ミディアム・スイートを好みます。中には甘いものを好む人も結構います。
この本に載っているレシピは、レシピ通りに作れば、出来うる限り高いアルコール度数になるように考えてあります。そうやって作られたワインはアルコールを充分に含んでいるので、侵入してくる酵母やバクテリアを殺すことが出来るのです。
これから書くレシピの目的は、発酵に必要な分の砂糖は確保して、低アルコールのワインを作ることです。もし1ガロンあたり2と1/4ポンドの砂糖の量にすれば、ドライなワインになります。
次の表を見てください。これは1ガロンの全体量につき、アルコール度数ごとにそれを作るのに必要とされる砂糖の量を書いた物です。2ガロンなら砂糖は2倍になります。
砂糖 | アルコール度数 |
ポンド オンス | % |
1 4 | 7.6 |
1 8 | 9.2 |
1 14 | 10.8 |
1 0 | 12.3 |
10%のアルコール度数のワインを作るとしましょう。1ガロンあたりに付き砂糖の量は1ポンド14オンスになります。
それでは次に、この本に載っているレシピの中から好きな物を選び(砂糖がたくさん含まれているので、ドライフルーツを除く)、レシピ書かれている量の代わりに1ポンド14オンスの砂糖でワインを作ってみましょう。
すでに述べた通り、この砂糖の量で作られたワインは、ドライ好きの人にとっても、ドライすぎるワインになります。甘さを少し加味するには、溶かした転化糖か、いくつかのワインにはグラニュー糖を次の方法で溶かして加えます。
ワインを金属が使われている容器に入れないように注意して下さい。使うのは1ガロンに付き、1パイントでいいでしょう。ワインを磁器か似た様な素材のジャーに入れます。ソースパンに水を張り、そこにワインの入ったジャーを入れます。そして、そうですね、ワインボトル1本に付き(1ガロンからワイン6本が取れます)ティースプーン1杯の砂糖を入れます。そして砂糖がワインに溶けるまで温めます。溶けたら元のワインと混ぜて味見をして見ます。もし甘さが足りなければ、そのプロセスを繰り返してください。転化糖を使う場合はソースパンに直接水を入れて温め、そこに転化糖を溶かしてシロップを作り、それをワインに入れます。
さあこれで砂糖入りの低アルコールワインが出来ました。このワインが発酵しないように、また長く保存できるように、ワインの品質に悪影響を与えずに保存する方法を書きます。
またここでカムデンタブレットの出番です。ですがもしワインが完全に透明だったら、カムデンタブレットが濁りを与えるかもしれません。これはしばらくすると治まりますが、ボトルの詰め替えが必要になるかもしれません。ですので、カムデンタブレットの代わりにメタ重亜硫酸ナ通りウムを4グレーンを入れるほうがいいかも知れません。1ガロンの保存にはそれくらいで充分です。
重亜硫酸塩の結晶をを砕いて、少し温めたワインにいれ、砂糖を加えて甘みをつけたらすぐに元のワインと混ぜます。結晶がほぼ溶けていることを確認して下さい。カムデンタブレット1錠(又は重亜流酸塩4グレーン)で1ガロンのワインの保存が出来ると書きましたが、特殊な状況では保存できないかも知れません。ですので、もう1錠加えていただいても結構です。その場合、香りの強いワインでしたら大丈夫ですが、繊細な香りのワインでしたら、臭いが感じられるかもしれません。ラッキーなことに、2錠目のカムデンタブレットが必要かどうか判断できる簡単なテストがあります。
ワイングラスに保存しようとしているワインを少し注ぎ、残りは栓をします。グラスに入れたワインに小さな布を入れ、温かい(暑い部屋にならないように注意して下さい)部屋に置き8~12時間、または一晩放置します。その後、ワインの色がどうなっているかを見てください(または保存用の瓶から新しく取ったサンプルと比較して見てください)。一晩置いて色が濃くなっていたら、カムデンタブレット(又は亜流酸塩4グレーン)がもう一つ必要です。それでドライであれ甘い物であれお好みのワインの味を保つことが出来ます。
ワインの中に450/1,000,000のまでの亜硫酸ガスを入れても良いと法律で決められています。この割合だと、カムデンタブレットでは8錠になります(亜流酸塩32グレーン)。2錠だと100/1,000,000の割合になります。このことからもあまり多く使わない方が良いと判りますよね。
ドライなワインは糖分が少ないため、アルコール度数の高いお酒より早く発酵が終わります。
この方法はアルコール度数が高い物であれ、そうでない物であれ、ほとんど全てに適用できます。
砂糖 | アルコール度数 |
ポンド オンス | % |
1 4 | 7.6 |
1 8 | 9.2 |
1 14 | 10.8 |
1 0 | 12.3 |
上の表は家庭用の砂糖を使った場合です。転化糖を使う場合、転化糖は水分を含んでいるので、家庭用の砂糖1ポンド=転化糖1と1/4ポンドで対応してください。それが失敗のない方法です。レシピには読者がわかりやすいように両方の量をそれぞれ書いてあります。
転化糖は普通7ポンド入りの缶か、大きさがまちまちのブロックで売られています。ブロックを図るのはちょっと・・・と思ったら、溶かしてパイントで計ってください。1パイント=砂糖2ポンドになります。
もし手に入らない材料があったら…ここに書いてあるのはその替わりになる物です
転化糖
手に入れられない場合、家庭で作ることが出来ます。8ポンドの砂糖を適当な鍋に入れ、2パイントの水と1と1/2オンスの酢酸(ドラックストアで手に入ります)かレモン4個分の果汁を入れます。ゆっくり温めて沸騰させ、砂糖が完全に溶けきるまで混ぜ続けます。
砂糖が全て溶けたら、半時間、混ぜないで、もしくはたまに混ぜる程度で、ごく弱火で沸騰させ続けてください。冷ましてから、全体の量がきっちり1ガロンになるように水を加えます。
さあ、これで転化糖の出来上がりです。酸によって化学変化を起こしたのです。1ポンドの砂糖=1パイントに変換して使ってください。適切な入れ物に入れ、きっちりと栓をしてください。
酵母栄養剤(栄養菌?)
これは発酵を助けるために化学的に合成されたものです。酵母ができる限り最大量のアルコールを発酵できるような補助剤として使われます。これには代替品はありません。
カムデンタブレット
すでにこの本に書いてある通りです。4グレーンのメタ重亜硫酸ナトリウムがカムデンタブレット1錠分に匹敵します。ドラックストアの薬剤師は4グレーンを1包だと少なすぎて嫌がるかもしれません。ですので4グレーンを10包で頼みましょう。オンス単位で買って、自分で分けようとするのは止めましょう。
ライビーナ
手に入らない時は、ブラックカラント味の同じような濃縮飲料を使いましょう。でもライビーナを使うのが一番です。
容器
良い品質のブリキやステンレスなどは安全でしょう。ですが使わないようにと私が書いてある物は使わないで下さい。亜鉛めっきされている物も使わないで下さい。